《チラシ大研究》〝マダム〟効果!?で買取30%増(家電のケンちゃん)

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「チラシ大研究」

《チラシ大研究》〝マダム〟効果!?で買取30%増(家電のケンちゃん)

2017年09月19日

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下限金額提示で成功

中古Macやゲーム買取販売の「家電のケンちゃん」(東京都千代田区)のチラシがユニークだ。中年女性、いわゆる"オバサン"の写真を大きく使う上、「どんなゲームも1本10円以上で買取ります!」と、高い金額は提示しない。常識と真逆の発想をすることで、買取りを増やしている。

中年女性5人とファミコンが写り〝昭和感〟を感じさせるデザイン家電のケンちゃんのチラシ

家電のケンちゃんのチラシを手にすると、どっしりした中年女性の存在が目を引く。その脇には同じく中年女性4人とファミコンが写り、〝昭和感〟を感じさせるデザインだ。

「通称マダムと呼ばれ、親しまれています。ツイッターでもたまに話題になりますし、『この人、店長のお母さんスか?』と、お客さんと会話のきっかけにもなります」(中川宗典店長)

デザインとして正しいかどうか。どちらかといえば悪い見本かも知れない、と中川店長は話す。だが正攻法が必ずしも良い結果を産むとは限らない。約2年前にこのチラシに変えてから、買取り成約件数は3割ほど増加した。

10円以上買取りで金額イメージしやすく

特徴的なデザインだけでなく、お客へのメッセージも変えた。「どんなゲーム(ソフト)も10円以上で買取ります!」と、お客が金額の下限をイメージできる打ち出し方にしたのだ。所有するゲームソフトの新旧、人気があるか無いかにかかわらず、「100本売れば最低1000円にはなる」と、お客は持ち込む前に買取金額の当たりを付けることができる。加えて同店はチラシに、買取金額500円上乗せチケットを付け、お得感を出した(一定本数以上に限る)。

「ゲーム買取りは処分ニーズが大きく、売れればOKという方も多い」(中川店長)と言い、数を出せば意外と高く売れるという印象を与え、買取りに繋げている。

このチラシに変える以前、同店はむしろスタイリッシュ寄りのデザインで、かつ高価買取を訴求するチラシを撒いていた。だが問い合わせが多数舞い込む一方で、買取り成約件数は現在よりも少なかった。「多くの方は買取価格の高さに期待を寄せてしまい、実際の金額とのギャップを感じてしまうようでした」(中川店長)。

同店はチラシの路線を変え、買取り成約を増やした。そればかりでなく、買取りに繋がらない問合せに対応する時間を減らし、現場の生産性向上も実現した。

店内に置かれる〝マダム〟チラシ店内に置かれる〝マダム〟チラシ

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423号(2017/09/10発行)9面

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