《ブランド市場バイヤーに学べ44》アフターダイヤ加工にご注意

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《ブランド市場バイヤーに学べ44》アフターダイヤ加工にご注意

2018年05月04日

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第44回 アフターダイヤ加工にご注意

新年度を迎えて心機一転、皆さん気持ちを新たに仕事に取り組まれているのではないでしょうか。この春から新米バイヤーさんとしてお店や古物市場にデビューする方もきっといらっしゃるのでは。古物市場は相場や商品知識、市場のマナーなど覚えることがたくさんあって大変だと思いますが、応援しています。

悩み迷ったときは会社や市場の諸先輩方に聞くのが一番ですが、本コラムもわずかながらお力添えできたら嬉しく思います。なお、リサイクル通信Webサイトではバックナンバーの一部が配信されていますので、そちらもぜひご覧ください。

アンテナ張って情報やトレンドをキャッチ

さて、新米バイヤーが覚えるべき多数の事柄のうち真贋(しんがん)」は優先度が高いもの。真贋を見極める力は一朝一夕では身に付きませんが、アンテナを高く張って様々な情報をキャッチすることで、対応力を高めることはできます。特に、コピー品にはブランドやモデルに流行りがあったりするので、その時々で注意すべき情報は頭に入れておきたいところです。

例えば最近、古物市場をにぎわせているのはロレックスのアフターダイヤ加工品です。アフターダイヤ加工自体は厳密にはコピー品ではありませんが、メーカーからすれば「正規品ではない」との見解。そのためかここ数ヶ月、メーカーの流通への取締りが厳しくなっているようです。以前はアメリカのデパート等でも店頭に並んでいたアフターダイヤ加工品を、今ではほとんど見なくなりました。また、古物市場の中にはメーカーからアフターダイヤ加工品を扱わないよう、通告書が届いたところもあると聞いています。

今後は古物市場だけでなく、小売店のチェックも厳しくなるかもしれません。知らずにメーカーにアフターダイヤ加工品を修理に出したら、受け付けてもらえないどころか、入手先を追求されるかも・・・。
今後はアフターダイヤ加工品を古物市場に出品すると、自社はもちろん会主にも迷惑をかける可能性がありそうです。お店で買取った商品がアフターダイヤ加工品だった場合、売り先に困ることも考えられますから、十分注意しましょう。

型番と照らしてすぐに看破できるものならいいのですが、中には実在するダイヤ巻きモデルと同じ型番に書き換えたアフターダイヤ加工品もあります。買取り店であれば、モノだけで見極めづらいときは「人の真贋」と組み合わせて判別するのが望ましいことは、以前のコラムでもお伝えしましたね(近隣住民ではない・顔写真付きの身分証明書を持っていない・急かしてくるetc...あてはまるお客様は注意が必要)。
例え真贋を見極めるスキルがなくとも、こうした情報を知っているだけで「ダイヤ巻きモデルを見たら注意深く見よう」と思うはず。新米バイヤーのうちこそ、情報やトレンドは積極的にキャッチアップしていきましょう。

           <Profile>
齋藤清.PNG齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ・執行役員 兼 オークション事業本部 本部長 グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。

第438号(2018/04/25発行)14面

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