2020年中古市場は1.3倍以上に、循環型社会がもっと大きくなる―長谷川和夫社長

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「未来予測インタビュー2015」

2020年中古市場は1.3倍以上に、循環型社会がもっと大きくなる―長谷川和夫社長

2015年01月13日

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中古市場の未来はどんな姿になっているのだろうか。リユースマーケットのフロントランナーとしてひた走る企業の中から5社を選び、それぞれの社長に2015年、2020年、2030年の見通しを大胆に予測してもらった。人口減、ネット社会、C2C取引の増加、グローバル化などのキーワードが、その口から語られた。変わりゆく日本の二次流通。その波の上をどうかじ取りしていくか。ぜひ参考にしてみてほしい。

売上の6割を海外で稼ぐ 未来があるかもしれない

『価値再生感動創造業』を標榜し、エンタメ性の強い総合リユース店を展開する買取王国(愛知県名古屋市)。2013年のジャスダック上場で業界を沸かせたことも記憶に新しい。古着やホビー商材に強い同社の長谷川和夫社長に、マーケットの予測と、その中での戦い方について語ってもらった。

――2015年の中古市場はどうなると予測しますか。まずは古着市場に関して教えてください。

まだまだ拡大する。同業者を見ていても古着が伸びてきている。新品市場も、消費増税前後に影響受けることなく伸びている。昨年7月〜9月で様々な商材が売上を落とす中、古着はどこも順調だった。そのぶん競合も多いが、新品市場自体が大きいことが好材料だ。

買取王国でも、衣料専門店を将来に向けて実験したいと考えている。そのためにはレディースが欠かせないが、当社の古着はメンズが60%以上を稼いでいる。ペイフォワードという子会社を設立し、「ハンドトゥハンド」という屋号で、ネットをチャネルに女性衣料の売買を行って弱点を克服すべく備えている。これをいずれ買取王国に取り入れるつもりだ。

――ホビー市場はどうなるでしょう。

古着よりは鈍いが、中古ホビー市場も成長するだろう。このところずっと成長軌道に乗っている。

ただし何をとがらせるかの見極めが必要。当社のホビー商品の内、単品で一番大きいのがワンピースのフィギュアだったがこれが半分に縮んだ。前後して上がってきたのが妖怪ウォッチ。どこかでお客がオーバーラップしていると予測できる。次々と新しいものが出てくるので、その流行を素早くつかまなければいけない。

――ホビーの領域の中には、ゲームや音楽も含まれると思いますが、このあたりの商品に関してはどう見ていますか。

ホビーの中では、データになり代わらないものが伸びる。ゲームは人口自体が増えるが、パッケージを売ったり買ったりは減少している。CDも同様だ。これらの商品は時間の問題だろう。

古着とホビーをもっと磨く

――総合リユースという切り方で見るとどうでしょうか。

商材で言うと古着、おもちゃ、そしてブランドはまだ伸びるのでは。買取王国でも売上の3分の2を古着とホビーが占めている。2〜3年この構成は変えられないし、むしろもっと磨いていくつもりだ。また、これから貧富の差が激しくなり世の中の中間層が減るので、高額なものと低額なものをやっているところがうまくいくと見ている。

買取王国
ファッションやホビー商品に強い総合リユース店。「尖った」 リサイクルショップというのが業界の評判。「買取王国」の他、「マイシュウサガール」や「ダンシングベア」「キングファミリー」(FC) なども展開。2014年2月期の売上高は約54億円。同期の店舗数は33店舗

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359号(2015/01/10発行)6面

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