大航海時代、宝探し時代へ、to from JAPANこだわらずに―オークファン 武永修一社長

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「未来予測インタビュー2015」

大航海時代、宝探し時代へ、to from JAPANこだわらずに―オークファン 武永修一社長

2015年01月13日

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中古市場の未来はどんな姿になっているのだろうか。リユースマーケットのフロントランナーとしてひた走る企業の中から5社を選び、それぞれの社長に2015年、2020年、2030年の見通しを大胆に予測してもらった。人口減、ネット社会、C2C取引の増加、グローバル化などのキーワードが、その口から語られた。変わりゆく日本の二次流通。その波の上をどうかじ取りしていくか。ぜひ参考にしてみてほしい。

日本基軸に考える必要なし グローバルで大きな戦い到来

ネットオークションやネットモールの一括価格比較サイトを運営するオークファン(東京都渋谷区)は、オンライン上の中古相場を明示して見せた。オークファンはもはや中古業界のひとつの指標となった。中古価格の推移をつぶさに見つめてきた同社の武永修一社長に、二次流通の行方を予測してもらった。

――2015年の中古市場はどうなるでしょう。まずオンラインマーケットについて教えてください。

新品と中古がより密接になる。中古市場に参加していなかった人たちが今参加を始めている。楽天やゾゾタウンもC2Cの仕組みをつくっている。新品の販売で圧倒的に強いプレイヤーが参入することで、新品から中古の一気通貫が進むだろう。

アマゾンとヤフーがメインという構図は変わらないと思うが、フリマアプリも存在感を増す。ネットオークションが難しくて使っていなかった層が、簡単に使いはじめているので、中古利用者のすそ野が拡大していくにちがいない。

――オークファンの利用者の中心である、スモールBは2015年どうなるでしょう。

消費増税で、中古市場全体は追い風が吹いているが、勝者と敗者に分かれる。スモールBの市場も同様。月に10〜20万円稼いでいた人たちが、今まで通りのやり方だけでは小さくなっていく。ただその一方では、おもしろい稼ぎ方も増えていく。

国を変えれば膨大な市場がある。自分も、10年前にアルマーニのファクトリーを紹介してもらって、そこからB品の仕入を独占して無双状態になったことがある。その時には月3回海外に買い付けに行って億単位で稼いだ。そういう雰囲気がまた再来している。

一時、古物市場で買ってネットオークションで売ろうという流れがきたが、もっとグローバルで大きな戦いが到来する。日本を基軸に考える必要はない。Toジャパン、Fromジャパンではなく、USで買ったものをロシアで売ってもいい。海外の中古市場もあわせて考えれば、非常にエキサイティングな時代になるだろう。大航海時代、宝探しの時代がやってくる。

――リアルの中古市場はどうでしょう。

2015年は市場が拡大するだろう。トレジャー・ファクトリーやシュッピンなど過去最高益を出しているところが目立つ。リユースショップの経営者の方に話を聞くと、増税で二度おいしい業態だと分かる。コレクションしていたものを手放す人が出て買取りが増え、節約志向で中古品を買おうという気運も高まる。

認知は、接点があれば広まるもの。リアルのプレイヤーたちが、中古市場を拡大する重要な役割を担っている。ただ、以前は駅前に1店しかなかったリサイクルショップが増えている状態だ。比較して選べるようになったので、ノウハウやキャッシュ、認知度、オペレーション力のあるところが勝ち残り、集約されていくだろう。

オークファン
インターネット上の商取引情報を収集し、比較分析している。データ保有数は200億件以上で、月間訪問者数は1000万人超え。ネット上の取引相場が分かるため、リサイクルショップの査定にも参照されている。近年は、フリマや中古ブランド催事などにも着手。

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359号(2015/01/10発行)7面

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