危機乗越え中古ブランドで年商25億円 ― ティアラ 岩瀬智芳社長

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「インタビュー」

危機乗越え中古ブランドで年商25億円 ― ティアラ 岩瀬智芳社長

2016年05月10日

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ブランド品や貴金属のリユース店「とーたる」や金券ショップ「きんけん太」を東海地区で35拠点(57店舗)展開するティアラ(愛知県西尾市)。同社は赤字転落による大規模リストラを過去に経験したことがある。岩瀬社長は、それを内外に包み隠さず話す。失敗から学び、這い上がってきた自負があるからだ。これからは「個人」を活かすビジネスモデルを展開すると言う。

インタビュー ティアラ 岩瀬智芳 社長ティアラ 岩瀬智芳 社長

リユース業は個の力が重要 評価制度で「おもてなし」発揮

――今期の売上高を教えてください。

2016年8月期は、25億円の見込みです。前期は25.5億円で、ここ最近ずっと右肩上がりできていたのですが、昨年夏から足踏みが続いています。

――なぜですか。

地金相場の下がりトレンドが続いて消費者が貴金属を売りたがらない。それと、大手流通に人をとられてしまっているという問題もあります。3~4年かけて育てた人材が流出し、店頭のパフォーマンスが低下してしまっています。

――どう乗り越えていきますか。

買取や販売は接客サービスなので、個の力が重要です。そこで、個人の成績を評価する仕組みをつくりました。新しいPOSを導入して誰がいくらの利益を出しているのか分かるようにして、インセンティブをつけるようにしたんです。

――安く買って高く売れば評価されるということでしょうか?

お客様の利益も守るために、社内で一定基準をつくって、その中に納まるようにしています。目先の利益に転ばないように方針づけています。

――同僚とお客を奪い合うという懸念は。

店長がケアを行うようにしています。店長は別途、店全体の利益に対するバックも行うようにしているので、個人間のもめ事を起こさないように配慮します。個を大切にして、来期は27億円を目指します。

――今居る人材を活性する施策ですね。失った数はどう補てんしますか。

19人の新卒を採用しました。当社は人の採用と育成に力を入れているので、会社説明会から面接まで全て私が参加しましたよ。当社には、目の前のお客様に全身全霊をかけるという「ティアライズム」があります。これを伝えて、それでも参加したいという人を採用しています。良い人材と出会うために、「フットサル説明会」や「バンド説明会」も実施しています。

――フットサル説明会とは?

私はサッカーが好きなので、一緒にフットサルをやりながらその間に会社の説明をするんです(笑)。バンド説明会では、ライブの合間に会社説明をします。お互い素になれるし笑顔になれるので、相性のいい人材を獲得することができます。優秀な人がとれましたよ。パートアルバイトの採用も私自身がやっていて、1人を採用するために三重でもどこでも駆けつけます。採用の場面では、包み隠さず話しています。相手を面接しているというより、私が面接してもらっているようなイメージです。

会社概要
株式会社ティアラ
本社:愛知県西尾市丁田町中ノ切61-1
本部:愛知県刈谷市末広町1丁目15-10アートオン1-A
設立:2005年(1935年創業の有限会社岩瀬から分社)
資本金:300万円
代表取締役:岩瀬智芳
従業員:180名(2016年4月、パート・アルバイト含む)
社長プロフィール
1967年11月生まれ、愛知県西尾市出身
1990年名城大学法学部卒業
1990年ジュエルベリテオオクボ(現ベリテ) 入社、本店/玉川高島屋店主任/半田店店長
1993年同社退社
1993年有限会社岩瀬入社
2005年同社退社
2005年株式会社ティアラ設立代表取締役就任
2011年株式会社MMインターナショナル設立代
表取締役就任
上記を経て現在に至る
趣味はサッカー、サーフィン、ドラム、バイク、ドライブ

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391号(2016/05/10発行)7面

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