【50行ストーリー】贈り主の気持ち汲み、破談のドレス着た姉妹

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「リサイクル店で起きるお話 50行ストーリ」

【50行ストーリー】贈り主の気持ち汲み、破談のドレス着た姉妹

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リサイクル店で起きるお話 50行ストーリーマリ・コレクション

マリ・コレクション (東京都武蔵野市)は20年近く続くリサイクルブティックだ。開店当初は一人で来ていたお客が、やがて手塚敏 子代表の人柄やアドバイスに魅せられ、娘や息子、あるいは姉妹に声をかけて、家族ぐるみでファンになることも多い。その中の一人に手塚代表と親しくなったバイオリニストの女性がいる。

ドレスがぎっしり並ぶ店内ドレスがぎっしり並ぶ店内

女性は船上やホテルなどで演奏するステージ衣装を購入するため同店に通い、常連客になった。やがて女性が婚約すると、手塚代表は一度しか手を通したことがないオリジナルデザインのウェディングドレスをプレゼントした。ところが、その結婚は直前で破談になってしまった。

手塚代表は縁起の悪いウェディングドレスは捨てられても仕方ないと思っていた。ところがその女性は「デザインが素敵でサイズもぴったりなので、姉に着てもらうことにしました」 と意外な報告をしてくれた。しかも、その次に結婚した女性の妹もそのウェディングドレスで結婚式を挙げてくれたのだ。

「ウェディングドレスは女性にとって特別なもの。それなのにお姉さんや妹さんは私の贈ったドレスを着て下さいました。それは、その三姉妹が服はもちろん、贈り主の気持ちを何より大切にする方たちだからです」 と手塚代表。その後、姉妹全員がお客となり、交流は今も続いている。

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383号(2016/1/10発行)17面

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