リユース業界におけるM&A件数が再び増加している。本紙調査では、今年既に9件が実施及び公表されており、2020年並みのペースだ。背景には経営者の高齢化等による事業承継に加え、ブランド品等の一部の商材では体力勝負の様相を呈していることがある。業界再編の第二幕が開けそうだ。
中国経済減速が引き起こす体力勝負
コロナ禍でリユース業界でのM&Aは落ち着きを見せていたが、今年に入りこれまでとは一転して増えている。左のグラフは本紙で調査したM&A件数の年別推移を表したものだ。20年は23件と過去最高を記録したが、その後は10件程度に留まっていた。それが今年に入り既に9件が確認できており、20年並みのペースを記録している。
20年以降で最もM&Aを行っているのがバイセルテクノロジーズだ。ほぼ年1件のペースで実施している。今年3月には買取専門店を展開するむすびを子会社化した。同社は出張買取で最大手の企業だが、近年は店舗型のリユース企業を傘下に収めており、店舗チャネルの強化を図っている。
また、コメ兵ホールディングスもブランドリユース領域で着実に企業を傘下に収めていっている。19年に同業のブランドオフを買収し業界内で大きな話題となった。それ以降も22年に宝飾品のセルビー、今年4月にブランドリユースのRECLOを傘下に加えるなど、主に販路面の強化を図っている。
第583号(2024/05/10発行)21面