ビクシア 遺品整理に女性進出

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ビクシア 遺品整理に女性進出

2018年05月31日

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遺品整理に女性進出キーワードは「安心感」

高齢化社会が進み需要が増している遺品整理。その中で、女性の遺品整理士が注目を浴びている。女性が活躍する理由を探ってみた。

ビクシア

ビクシアウィルビズパートナー(東京都江東区)が運営する女性中心の遺品整理会社。個人で片付けなどの事業を行っていた女性メンバーが集まっている。

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▲ビクシアのホームページ

大型家電の運び出しなどは提携する業者の男性スタッフに協力を要請。

しかし、「お客様と対面するのは女性」(湯沢美和代表)と言う。部屋の片づけに利用者が立ち会う場合、「夫婦で暮らしていると奥様が立ち会うことが多いので、女性同士で相談がしやすくなるから」(湯沢代表)と言う。

同社はホームページやフェイスブックで作業の様子をアップしている。「顔を出すことで利用者の安心感につなげたい」(湯沢代表)。自社のパンフレットやイメージキャラクターも作成している。

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▲女性だけで作業する

現在は女性3名の体制。「チームで行っているので、作業を手分けできることが強み」(湯沢代表)。全体のマネジメントをする者、トラックの運転をする者等、得意分野に応じて仕事を分担する。

今後はサービス業としての付加価値をより追求しリメイクや販売を強化していきたいという。

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▲湯沢美和代表

エコすまいる

エコすまいる(東京都杉並区)は石田真理代表が一人で運営する出張買取専門店。生前整理・遺品整理も行う。家電や陶器を中心に、地域密着で1日3~4件の買取りを行っている。

女性ならではの強みは「安心感」だと石田代表は話す。「お客様は独居老人なども多い。時には利益度外視で相談ごとに乗るなど、娘のような感じで接することで心を開いてもらえる」(石田代表)。

悪質な業者による押し買いがニュースに取り上げられることもあり、生前整理の前に何度か買取りで利用して業者を見極めようとする利用者もいる。「信頼関係を築くことが大切ですね」(石田代表)。

石田代表は一点一点査定額を明示することで公正さをアピールする。
石田代表は「接客時に1回以上は笑ってもらう」ことを常に意識していると言う。日常の話や趣味の話などから共通点を見出し盛り上げる。そうしている内にその人が本当に処分したいものが浮かび上がってくるのだと言う。

接客には平均1時間、長ければ3時間は掛ける。
商品の販売は提携する業者に委託。整理や買取りに専念する環境を整えている。

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▲石田真理代表


《記者の目》求められる女性の活躍
高齢化が進む中で遺品整理や生前整理の需要は年々高まっている。しかしその一方で高額請求などを行う悪質な業者の存在も目立つようになってきた。利用者の不安をあおっている。
遺品整理業のイメージアップやサービス業としての洗練化が求められる中で、女性の活躍が求められているのかもしれない。

子育て・介護...忙しい女性が働ける場所

《フルタイムでなくてOK》

ビクシアの湯沢代表は、必ずしもフルタイムで働く必要がないため案件に合わせて労働時間を調節できると話す。また、販売やリメイク等で活躍することも考えられることから「『働きたくても働けない』女性の隠れた労働力を発掘できるのでは」(湯沢代表)と話す。

《クラウドソーシングを活用》

エコすまいるでは一人で整理業務や買取りを行っているため、名簿管理や買い取った商品の検品に、オンライン上で在宅ワーカーと仕事のマッチングができるクラウドソーシングサイトを活用。「子育てや介護をしている人も空き時間で出来る仕事が生まれるのでは」(石田代表)。

第440号(2018/05/25発行)9面

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