KRC、亡き妻との思い出整理し自ら設計した家と決別した建築家

検索

「遺品ダイアリー」

KRC、亡き妻との思い出整理し自ら設計した家と決別した建築家

2020年09月01日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

~遺品ダイアリー~
思い手に寄りそって Story12

配偶者が亡くなったのを契機に住み慣れた家を片付け、老人ホームに入居する高齢者が増えています。今回はそんな男性の現場から生まれたストーリーをお届けします。

現場はお客である元建築家が設計した海一望の邸宅だった現場はお客である元建築家が設計した海一望の邸宅だった

亡き妻との思い出整理し
設計した家と決別した建築家

どんなに仲の良い夫婦でも、同時に昇天するのは難しい。昨今は配偶者の死を契機に自宅を処分し、老人ホームに入居する高齢者が増えている。今年初旬、家の片付けや遺品整理を手掛けるKRC(神奈川県横浜市)に持ち込まれたのも、そんな案件だった。

依頼者は80歳位の男性の娘で、母親が亡くなり、父親が老人ホームに入ることになったので、戸建の1階を片付けて欲しいということだった。最初に老人ホームに紹介された業者に依頼したが、見積も出さず、2階だけで90万円近く請求され、更に追加料金が発生すると言われ、知人の紹介でKRCに依頼することにしたのだ。

家を手放すことを心が納得できない

現場は湘南にある立派な邸宅だった。築40年近いというが、綺麗で塵ひとつなく、築10年位にしか見えなかった。だが、その家の主である高齢の男性はぶっきらぼうで口もきいてくれず、渡辺代表を困惑させた。「その方は建築家で、ご自宅は自ら設計した思い入れのある家でした。老人ホームに行くのがベストだと理屈ではわかっていても、自宅を手放すことに心が納得されていなかったのです」と渡辺代表。

有料会員登録で記事全文がお読みいただけます

第494号(2020/8/25発行)19面

Page top
閉じる