海外定期預金、一つの手段に

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海外定期預金、一つの手段に

2017年10月03日

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リユース企業の海外進出が目立っているが、現地で得た収益をどう管理・運用するかは気になるところだ。ビジネス先になる機会が多いフィリピンでの一例で、公的金融機関に複数口座を作って貯蓄する方法がある。貯蓄アドバイザー瀧波健太氏は、リユース業者延べ50社に対し提案を行ってきた。(監修:WinWin合同会社 瀧波健太代表)

海外で得た収益、どう管理・運用する?

近年は東南アジアを中心に、リユース品の輸出や現地での小売が盛んだ。国外に販路をもつことで売上を大きく上げる企業も少なくない。だが収益を国内に戻す場合、現地で払う税金(関税、所得税等)に加え国内で法人税や個人事業税等を納める必要があり、手元に残る金額はやや圧縮される。

そこで瀧波氏はフィリピン輸出を行うリユース業者に対し、公的金融機関での定期預金を薦める。リユース店数店を運営するオーナーや個人事業主等が、オーナー(個人)名義で定期を組む形だ(法人名義では定期預金不可のため)。

経済成長を続ける比は先進国に比べ金利が高く、「定期預金を組めば大きな利回りを得られる」(瀧波氏)メリットがある。例えば1年定期を組めば年利は8・5%、5年であれば14%になる。「輸出したコンテナの売上が目標値より1割ほど少なかったとしても、1年間預金しておけば十分補填できます」(瀧波氏)。定期期間中は現金をすぐ下ろせないデメリットはあるが、5年定期で100万円を預ければ5年後に約170万円になる。

為替差損もあり得るが、比の銀行にはドル建て預金可能というメリットもある。

ペイオフで1口座約120万円まで補償

もちろん、現地銀行が破綻するなどのリスクはゼロではない。だがペイオフを活用すればこれをヘッジできると言う。

比の銀行では、50万ペソ(110万〜120万円)までペイオフの対象だ。預金保険機構の「PDCI」が補償し、「銀行が経営破綻しても、国が無くならない限り預金は守られます」(瀧波氏)。

また50万ペソ以上を預金しており、これをペイオフで全額守りたい場合は、同一の銀行に複数口座を作り分散させればいい。日本国内とは異なり、全ての口座がペイオフの対象となる。例えば本人名義、配偶者名義、家族との共同名義など、うまく使えば口座を複数持てる。

国際金融機関に送金多くの国で下ろせる

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代表プロフィール

貯蓄アドバイザー。FP、証券外務員、保険募集人の資格を持つ。アドバイス実績は、個人5000人、法人700社。国際銀行の口座開設・資産分散の提案等も含め、トータルでフォローしている。

「国内でビジネスされる方の多くは、国際金融機関の口座をお持ちでないと思います。その際は開設のお手伝いもできます」

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424号(2017/09/25発行)10面

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