レトロバリュー、「昭和」が新しい

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レトロバリュー、「昭和」が新しい

2016年01月10日

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アナログに惹かれる若者も

レトロな商品に注目する人が増えている。郷愁感や歴史が刻む温もり―――。年配者は昔に戻れる感覚を求めて購入している。一方で若年層は、現行品にない使い方やデザインを「新たな出会い」と捉えている。

「カセットで聴く」行為が一種のステータスに「カセットで聴く」行為が一種のステータスに

カセット買う10~30代 手間含め「かっこいい」

「巻き戻しなどの手間も含め、カセットで聴く行為が格好いいという考え方が広まっています」

こう話すのは、カセット・レコード等を専門に扱う「waltz」(運営:ワルツ社、東京都目黒区)の角田太郎代表。店内には洋楽、クラシック、ジャズを中心に約3000点のカセットが揃い、お客を出迎える。

カセット全盛期の80年代に青春時代を過ごしたアナログ世代のみならず、これで聴く体験をしたことがない10~30代の購入も増えつつある。元々アナログオーディオ店は、コアな男性客の店というイメージが強いと言うが、同店には1人で購入しに来る女性客も珍しくない。

角田代表によれば、近年はDJやミュージシャンなどクリエイティブの最先端を行く職業の人を中心に、カセットで聴くことがトレンドだ。実際に業界の著名人も来店しており、「音楽にこだわる人のステータスとして認識されている」(角田代表)と言う。

同店は昨年8月にオープンしたばかりで、開店告知や広告宣伝は一切しなかった。しかし国内で類を見ない専門店としてテレビや全国紙、ファッション誌などが相次いで紹介し、関心を持ったお客の来店が増加。見た目自体が「可愛い」、「スタイリッシュ」との声も上がっている。

「カセットは、時代と逆行した商材ではある。しかし現代人に新たな価値観を提供できるのでは」と角田代表は自信を滲ませる。

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383号(2016/01/10発行)24面

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