子どもの貧困対策基金、リユース物品寄付を採用

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子どもの貧困対策基金、リユース物品寄付を採用

2017年03月01日

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不用品で気軽に支援を

子供の貧困対策のために内閣府、文部科学省、厚生労働省及び日本財団がすすめる「子供の未来応援基金」の公式プログラムとして、2つのリユース企業の取組みが採用された。古本の買取販売を行うバリューブックス(長野県上田市)と、買取り店「お買取屋さん目黒山手通り店」を運営するTMコミュニケーションサービス(東京都目黒区)が提供する、物品寄付のプログラムだ。

子供の未来応援基金のHP子供の未来応援基金のHP

バリューブックス・TMCS参加

不用品を買取りに出して、査定額を消費者が受け取らずそのまま寄付にまわすのが、リユースを使った物品寄付だ。子供の未来応援基金は、金銭の寄付だけでなく、人々の不用品を活用した寄付の仕組みを取り入れた。この取組みは、都道府県に通達され、いくつかの自治体のHPに掲載される。

バリューブックスの古本物品寄付プログラム「チャリボン」は11月11日から公式プログラムとしてスタートし、「2ヵ月ちょっとで5200冊が集まった」(バリューブックス鳥居希取締役)。寄付金額にして14万7000円。TMCSの貴金属や小型商品の物品寄付「お宝エイド」も12月16日にスタート。「12月が寄付啓蒙月間だったたこともあり、かなり集まってきている」(TMコミュニケーションサービス三井恒雄社長)と言う。

日本は欧米等と比較して寄付の文化が根付いておらず、目標額を集めることが難しい。しかし、家庭に眠る不用品を出すだけなら、気軽に参加できる。

サポートするリユース事業者にとっても、中古再販するために不用品が国や自治体の呼びかけで集まってくるというメリットがある。

不用品の買取りは広がっているが、2社によると、「大事にしていたものに値段をつけられたくない」「お金に変えることに罪悪感を感じる」という消費者が一定数いると言う。寄付金にすれば、その心理に配慮することもできる。

尚、バリューブックス「チャリボン」は独自に89のNPO、64の大学、6つの自治体と提携ししており、TMCS「お宝エイド」は100のNPOと提携している。2社とも独自の取り組みが評価され、公式プログラム入りした。

善意が支えるリユース物品寄付

「人々の善意をベースに動いているからこそ、信頼が大事」とTMCSの三井代表は話す。リユースを通じた物品寄付の文化を広げたいと考えているが、スキームを表面だけ模倣した事業者によって、消費者の信頼を壊すトラブルが起きないか危惧している。商標など知的財産の確保とともに、同じ志を持つ業者とのネットワークをつくっている。

TMコニュニケー ションサービス 三井恒雄社長TMコニュニケーションサービス 三井恒雄社長

バリューブックス 鳥居希取締役

バリューブックス 鳥居希取締役

410号(2017/02/25発行)3面

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