【50行ストーリー】客からスタッフへ、居場所拾った54歳男性

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「リサイクル店で起きるお話 50行ストーリー」

【50行ストーリー】客からスタッフへ、居場所拾った54歳男性

2016年03月10日

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リサイクル店で起きるお話 50行ストーリー落穂拾

落穂拾(らくすいしゅう、東京都豊島区)は2015年10月4日にオープンした総合リサイクルショップだ。店名はミレーの絵画「落穂拾い(おちぼひろい)」が由来となっている。当時の農村では、麦の落穂拾いは寡婦や貧農の権利として認められた慣行だった。

宝探し感覚の店内宝探し感覚の店内

「この店も現代の落穂である不用品を安価で販売し、近隣の住民を豊かにしていきたい」と代表。店内も宝探し感覚で服を積み上げるなど、拾った物の倉庫のイメージを演出している。

敷居が低いせいか、宣伝しなくともオープン当初から常にお客が10人以上いる店になった。おまけに、いつの間にか自主的に電話をとったり、接客するお客まで現れた。その中の一人に、現在スタッフとして常勤している54歳の男性がいる。

男性は身体を壊したのをきっかけに仕事を辞めており、同店に入り浸っていた。アルバイトから「邪魔になる」とクレームが寄せられた時、代表は「それなら、正式にスタッフになってもらおう」と発案した。スタッフとして店番をしてくれるなら、邪魔ではなく戦力になると考えたからだ。

「僕たちが目指しているのは、『いて楽しくて、仲間が集まれる場所』。楽しんでいる人を追い出すのはおかしいと思ったのです」(代表) 。男性は落穂拾で居場所と職を拾い上げ、嬉々として働いている。

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387号(2016/03/10発行)13面

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