《トップINTER VIEW》ワットマン 川畑泰史社長、6期連続営業利益減から再建

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《トップINTER VIEW》ワットマン 川畑泰史社長、6期連続営業利益減から再建

2019年06月02日

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ワットマン

社員の育成マインド高め業績好転

20190525_9面画像.jpgのサムネイル画像▲ワットマン  川畑泰史社長

総合リユース店舗事業を展開するワットマン(神奈川県横浜市)。6期連続で営業利益減益を記録していた。再建を託され2018年6月にトップに新任したのが川畑泰史社長だ。業績偏重型の給与制度や指名によるキャリア制度を改めるべく、経営理念から根こそぎ一新させた。社員の育成マインドを高めたことが、営業利益増益に繋がっている。

--2018年3月期に7期ぶりに営業利益が増益に転じました。

川畑 6期連続で営業利益減益というのはかなりまずい状況で、上場企業ではワースト2。問題は腐るほどありました。僕はこの間に入社し、2年ほど現場にいました。戻ってきて最初に何をやったかというと、人材マネジメントの整備。それを通して生産性を向上させました。当社ではしばらく増収減益が続いていましたが、18年3月期に増収増益に転じました。前年に100万円まで落ちた営業利益が翌年に1億8500万円まで回復。特に、一定数従業員の退社が起きる中でそこに補充を行わなかったことと、新しい評価制度を立ち上げたことが大きかったです。

--どのような評価制度を。

川畑 パフォーマンス評価というものです。それまで当社の評価制度は、小売ではよくある業績偏重型。つまり業績によって給料や賞与が決まる。それだと何が悪いかというと、いざ改革を!となった時、業務のやり方を変えることになるので、絶対業績は落ちるし、モチベーションも下がる。パフォーマンス評価では、改革施策に前向きに動いてくれる人をきちんと評価し、給料や賞与を払っていこうというものです。

--変えたのは評価制度だけですか。

川畑 いえ、もう人材マネジメント全部を変えましたよ。評価制度だけ変えてしまうと上流にある経営理念や求める人物像、下流にある教育方法と矛盾してしまう。なので、一気通貫で変える必要がありました。もはや理念なんて難しい表現はやめて、当社の場合は「こころざし」。ワットマンのこころざしは一言で、「ニチジョウをミタス」です。結局会社は何のためにあるの?というところは、社会貢献や幸せの為だと思うんです。でも自分が日常で満たされていないとお客様には幸せにはなってもらえない。まさにここが根本だと考えました。

成長の鍵はエリア長 傘下の店長を育成する

--人材教育は今どのように。

川畑 2016年から2年間を体制整備フェーズとしていまして、それまで現場では、優秀なスタッフを指名してキャリアアップをさせていたんです。今では、店長の1つ上にあるエリア長という役職を、1年以上店長を経験した者から、自ら立候補して到達できるポジションとしました。エリア長は店舗8拠点くらいを統括します。以前はグループ長というものがあり、指名制だったのですが廃止しました。結局、最終的に執行役員クラスになってくると、僕から言われたことだけをやっているようでは手遅れ。自ら企画し、人を巻き込んでいけることを求めているんですが、いきなりそれを求めてもできるわけがない。だから、エリア長というポジションを前段に作り、チャレンジしてほしかったんです。

--これまで何人がエリア長として名乗りを。

川畑 延べ5人くらいです。候補者から要件を見て、1年ごとで任期を与えています。ちなみに今期は3人。報酬も店長とは明確に異なる。例えば30代前半で、半期ボーナスが200万円とか。年収で1000万円くらいにはなると思います。

--エリア長のはたらきが、業績回復に貢献したと。

川畑 まあ正直業績は二の次だったんですけど、結果的には。一番には育成に真剣になってもらいたかったんです。半期に一度、評価会議というのをやっていまして、エリア長と人事の責任者、そして僕ら経営陣が一堂に会します。そこでは、例えば当社店舗に店長・副店長が40人いるとして、1位から40位まで順位づけするんです。そして評価基準を徹底的に明確にし、さらには相対評価を導入していることが特徴です。エリア長は自分のエリアの店長に対し、例えばA評価を付けますとプレゼンするんです。BではなくなぜAなのか、その妥当性とかを他のエリア長や僕らが徹底的に突っ込んでいく。もしこの場で下手なプレゼンをしたら、どんどん自分の部下の評価が落ちていく。そうならないように、プレゼンできるほどの内容を集める必要があるし、何もなければ成長の機会を与えないといけない。これにより、エリア長の育成マインドはかなり育っていますよ。

パートを有効活用 15分ごとで仕事割当

--2019年3月期も営業利益が増益。既に体制整備フェーズは過ぎています。

川畑 次を基盤構築フェーズと位置付けていて、これは2020か21年までを目処としています。この期間では、商品や売り場の強化や、引き続き店舗の生産性向上を図るなどしています。一番効果が出ているのは仕事の割り当ての仕組み。労働分配率も2年前に45.6%だったのが、今では37.5%まで改善しています。わかりやすく言えば、人をベースに仕事を割り当てていたものを、仕事をベースに人を割り当てるようにしました。例えばパートタイマーで来月40時間入りたいという人に、じゃあ40時間分の仕事を、というのは本来間違い。店の売上や利益のためにこれくらい買い取って、再商品化して、40時間が必要...だから、○○さん40時間入ってください、というように変えたんです。今では仕事内容もシフトも15分ごとで区切るようにしています。例えば、15分でここの棚の商品を全部メンテナンスしてくださいとか、具体的に指示することで効率的に働いてくれています。

--その他、増益に転じている要因は。

川畑 備品の徹底管理ですね。2週間に1回、全部の領収書を見ています。例えば普段、飾り棚とかの業者さんが直接店に営業に来てしまうんですよ。店側も店を良く見せたいからと思い備品買っちゃうんです。でも2000円の商品売るのに2000円の什器で飾っても意味がないわけで。良し悪しはありますが、店に任すこともあれば、本社でしっかり手綱を握らなきゃいけないところはありますね。あとは昨年から、一部法人からの仕入れをやめました。お客様は中古品に魅力を感じて来てくれているのに、安くもない新品工具やスマホのアクセサリーとか、誰が買うのかな?って。

6月までにタイに出店 国内既存店強化図る

--あと1〜2年で基盤構築フェーズも終わる。その後の計画は。

川畑 全ての既存店を強くしていきます。そのために海外事業に挑戦します。実は既に、タイに現地法人を立ち上げました。もともと当社で、国内で滞留した商品をある業者さんを通じタイへ卸していました。まずはそのルートをトレースし自社でやっていこうと。今年6月末までには現地で1号店を出したいです。地域はリサイクルショップがない田舎。そこでインテリア雑貨などを販売していけたらと考えています。


●会社データ

社   名 株式会社ワットマン
事 業 内 容 リユース事業(服飾雑貨・家電・本・ゲームソフトなどの仕入販売)
本社所在地 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰本町1-27-13
代表取締役社長 川畑泰史
会 社 設 立 1978年9月
資 本 金 5億円
従 業 員 数 459名(2019年3月末)
店 舗 数  スタイル:19店舗、テック:19店舗、ブックオフ(FC):8店舗、カウマン:2店舗(2019年3月末)
売 上 高 約34.8億円(2019年3月期)

●社長プロフィール
川畑泰史(かわばた・やすふみ)。1978年5月7日生まれ(41歳)、神奈川県出身。東京大学工学部卒業、同大学院修了(環境学修士)。2005年、アクセンチュア入社。経営コンサルティング本部シニアマネジャーを経て、2014年ワットマン入社。2018年ワットマン代表取締役社長就任。

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第464号(2019/05/25発行)9面

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