Myblex竹林社長インタビュー、ブランド品鑑定を悩ませる「ウルトラクローン」

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Myblex竹林社長インタビュー、ブランド品鑑定を悩ませる「ウルトラクローン」

2023年09月29日

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ブランド品の真贋鑑定が難しい時代に入ってきているという。技術の進化で正規品そっくりな模倣品が作り出される一方、メーカーの間では、手作業により個体差を出すことが顕著になった。結果的に模倣品のほうが綺麗に見えうる状況が生まれ、これが買取業者にとっての落とし穴となりそうだ。真贋研究を行うMyblex(東京都台東区)の竹林雅夫社長に、最新動向を聞いた。

テクノロジーと五感で見分ける時代に

正規品にばらつき、模倣品は均一的

Myblex 竹林雅夫社長Myblex 竹林雅夫社長

── ブランド品の真贋鑑定が、難しい時代に入ってきていると?

竹林 はい。正規品と模倣品の差は「ここだ」と言えていた従来のセオリーが利かなくなってきているという意味で、真贋鑑定が難しくなっていると言えます。正規品において手作業で作っている部分が、かたや模倣品は機械的に作れるがために均一的に綺麗にできあがってしまう。技術が進歩して3Dスキャナーなどが普及し、本物に限りなく近い型がとれてしまうからなんですね。例えば金具や皮の刻印がそうで、手作業ならばらつきが出るところを、模倣品なら均一で、正規品より綺麗に見えてしまう。

── そもそも正規品の間で、ばらつきがあると。

竹林 おそらくメーカーはSDGsの考え方から量産することを止め、手作業の工程を増やし、1つずつ丁寧に作って売るという仕方に変えてきているのではないかと、私は思っています。

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第568号(2023/09/25発行)17面

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