【Reuse×Tech Conference セミナーレポート】  生き残りのカギは「脱コモディティ化」_ものばんく

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【Reuse×Tech Conference セミナーレポート】  生き残りのカギは「脱コモディティ化」_ものばんく

2024年11月21日

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リユース業界最大級イベント「Reuse×Tech Conference for 2025」が10月2日・3日の2日間、東京・日本橋で開催された。10月2日D会場では質屋事業やオークション事業を手掛けるものばんく(山口県下関市)から吉田悟社長が登壇。「リユース業界における中小企業の生き残り戦略」をテーマに講演を行った。登壇内容をダイジェストで紹介する。

生き残りのカギは「脱コモディティ化」_ものばんく

吉田社長は中小リユース企業を取り巻く厳しい環境について解説。大きく「査定のコモディティ化」「大手の拡大進行」「採用難化」があるとした。「査定のコモディティ化」については、ブランド商品などAI判定で誰でもすぐ査定業務ができる状況はすでにできつつあり、平準化が進む一方で差別化が難しくなり淘汰が進むと指摘。M&Aなど大手リユース企業の拡大は今後も進むと予測し、人材の採用も難化していくと指摘した。

スタッフの"好き"を伸ばす推し活領域などチャンス                   

そんな環境下で生き残りを果たすためには、あらゆる「コモディティ化」から逃げ出すことが必要と呼びかけた。査定はもちろん、SEOやリスティング広告による集客など「あらゆる部分でどこも違いがなくなってきている。値段も一緒、広告の内容もだいたいどこも一緒。どこも同じことをやっている」。その中で「"好き"をビジネスに変える」「スタッフの"好き"の部分を伸ばしてあげる」ことが脱コモディティ化の一手になると話した。

同社では現在、釣り好きの新卒女性社員が活躍しているという。「高校生の頃、朝の時間帯は釣りに行きたいという理由で夜間学校に通っていたほどの釣り好き。好きなことだけあって釣り具の相場の覚えなど信じられないくらい早い」のだという。現在、同社員は釣り具の解説ライブ配信なども手掛け大いに活躍している。「ブランド品が好きでリユース業界で働いている人は果たしてどれくらいいるか。好きじゃないと相場なども覚えるのも大変。"好き"があるからこそ伸ばせる部分がありスタッフのモチベーションアップにもつながる。コモディティ化から逃げられる要素になる」と話した。釣り具など趣味用品の領域や、「推し活」のホビー領域の強化などスタッフの"好き"を追求できると説明した。

地域密着の徹底が重要 大手に負けない地域一番店に                     

生き残りに向けて、「地域密着の徹底」の必要性についても説いた。山口県下関市を本拠地とするものばんくは「地域一番店であり続けることにこだわってきた」と言う。同社では街の自治会参加やお祭りの協賛、児童養護施設の職場体験受け入れなど地域貢献の取り組みを徹底、「地域の顔になるための地元密着を続け、地域の一番店になり安定的な買取ができている」という。「小さいエリアだとしても大手には絶対負けないというような状況を作ることが、生き残り戦略の1丁目1番地だと思う」と呼びかけた。

異業種交流も積極的に 自らを客観視して生き残りへ                      

吉田社長は「リユース業界はサバイバル。短期的な売り上げなどももちろん大事だが、中長期を見据える視野の広さも必要。そのためにも異業種とも関わるなど外に出ていくことも大事。外部との関わりの中で自らを客観視できることもある」とした。講演の締めくくりには、「同じマーケットで戦わないという『横にずれる』戦略も大事。ぜひ考えてみてほしい」と聴講者に宿題を出し、講演は大盛況のうちにお開きとなった。

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