《皮革製品修復ラボ(44)》雑談から20数万円の受注に

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《皮革製品修復ラボ(44)》雑談から20数万円の受注に

2017年02月23日

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皮革製品 修復ラボLesson.44 家具のお直し

ソファのお直し=「富裕層宅に訪問」

革製品は、バッグや靴だけじゃない。他にもたくさんある。

ある日、百貨店の外商がお客さんの家に訪問している時の会話だ。

「ソファのメンテナンスもできるっていっていなかったかしら。見てもらいたいものがあるのよね」

「かしこまりました。これなら、提携事業者がきれいにすることができます。お呼び致しましょうか」

「お願いするわ」

そこで、百貨店と付き合いのある私たちが請け負うことに。外商と共にお客さんの自宅に訪問して、ソファのトリートメントと色補修を行った。

訪問すれば、雑談が始まる。

「今日はソファのお直しで来ていますが、実はバッグと靴のお直しが本業なんですよ」

「そうなの!?じゃあ、ちょっと見てもらえる?まとめておくわ」

その結果、ブランドバッグや小物、ブーツ合わせて8点のメンテナンスも依頼され、ソファとあわせて20数万円の受注となった。

ちなみに、ソファの方は空調をかけてもらってその日中に座れる状態になるが、バッグのお直しが完成するのは3週間後。そう伝えると「バッグは使っていないからその納期で大丈夫!」とのことだった。

10年前から、ソファのお直しもやっているが、特に最近こういうケースが増えてきた。このことから、2つの点がリユース事業者にとって参考になるのではないかと思っている。

ひとつは、ソファのお直しをすれば富裕層の家に訪問することができるという点だ。

ソファは大きいため、メンテナンスをしてもらうなら、事業者を家にあげなければいけない。

買取にしろ、下取りにしろ、潜在需要はあるが、こと富裕層に関しては「私が利用するサービスじゃない」と思っているためなかなかリーチしづらいのが課題だと思う。

しかし、かっこよくエイジングさせながら使っていく予定のソファのメンテナンスなら、話が別だ。専門家を呼びたい。

作業には30分以上時間がかかる。その間に、雑談でバッグや靴のお直しサービス、不要なものがあるなら買取サービスをやっていることを伝えれば、前述のとおり受注することができそうだ。

特商法の絡みもあるので、その場ですぐにというわけにはいかないかもしれないが、一度家に上がって話しをし始めさえすればお直しや不用品の相談を受けることになり、可能性は格段に広がる。

川口 明人氏
≪筆者 Profile≫ 川口 明人氏

1960年、神奈川県生まれ。根っからの靴、バッグ好き。大学卒業後ヨーロッパに渡りフランスのシューズブランドに就職。帰国後は婦人靴ブランドのマネージャー、ブランドバッグ販売責任者、婦人靴メーカー商品企画・製造責任者などを歴任。皮革製品修復の「美靴工房」立ち上げに参画。現在は同社の専務取締役として女性修復師チームを率い数多くのメゾンブランドから指名を受ける。メディアにも度々取上げられており、質店・ブランドリサイクル店にとっては駆け込み寺的存在。

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409号(2017/02/10発行)15面

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