改めて、MARって何?今更聞けないアレコレを解説

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改めて、MARって何?今更聞けないアレコレを解説

2017年04月19日

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世界で81社がパートナーに

PC、スマホ、タブレット――リユース店に持ち込まれる商品も、こうした電子デバイスが増えてきている。折しも、マイクロソフトがWindowsの中古PC向けライセンス、通称MAR(マー)の運用をはじめてから10年が経過した。改めて、マイクロソフトの執行役員の梅田成二氏にMARについて詳しく取材した。

Point

MARは、マイクロソフト・オーソライズド・リファービッシャー・プログラムの略称。クリーンアップして磨き上げた正規の中古製品という意味が込められており、正規Windows OSライセンスを再生PC専用に設定された特別な価格で提供する。

2007年にアメリカでスタートし、日本ではその2年後の2009年に開始された。現在、グローバルで81社、国内では9社が導入している。

パートナー3要件

MARのパートナーになるのには3つの要件をクリアしなければならない。1つ目は、データ消去を徹底するなどコンプライアンスがしっかりしていること。2つ目は、PCの不具合を検査するなどハイレベルな品質管理が行える技術力があること。3つ目が、年間2万台以上の取扱いボリュームがあることだ。換言すると、MARを導入していることは、それだけの基準をクリアしていると、ユーザーに証明できることにもなる。

MARの前にRRP

では、この要件をクリアできない企業は中古用の正規Windowsを、再生PCに入れることができないかというと、そうではない。MARの手前に、RRP(レジスタード・リファービッシャー・プログラム)という小規模事業者用のプログラムも用意されている。

コンプライアンスと技術力が求められるのはMARと同様だが、取り扱い台数の下限がないのがRRP。現在、約4000社が登録している。利用したい場合、マイクロソフトのHPから申請すればいい。テストと審査があり、承認されればプログラムメンバーになれる。「RRPで実績を積んでいただき取り扱い台数が増えれば、MARに参加してもらうことができます」

MARやRRPをHP上で案内MARやRRPをHP上で案内

なぜMARができた?

OS不正コピーや廃棄について問題になったから

2007年頃、PC流通量増大と共に、二次利用品のOS不正コピーや処分時の廃棄などが社会問題化した。

マイクロソフトは業界のリーダーとしてどのように取り組むべきか検討。同社が認めるリファービッシュPC用のセカンダリライセンスを用意することにした。

ソフト会社として「違法ライセンスに対する監視や対策を行う使命があると考えました」(梅田氏)

「企業の社会的責任を果たす」「廃棄物を抑制し循環型社会を形成する」などの観点からも、必然的な発想だったと梅田氏は説明する。こうして2009年4月に日本でもMARプログラムがスタートした。

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413号(2017/04/10発行)11面

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