《ブランド市場バイヤーに学べ19》下見本、赤ペンやマーカーは使い方に注意

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「ブランド市場バイヤー 齋藤清の俺に学べ!」

《ブランド市場バイヤーに学べ19》下見本、赤ペンやマーカーは使い方に注意

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ブランド市場バイヤー 齋藤清の俺に学べ!

第19回 下見本を使いこなそう!

出品数が何百から何千点にも及ぶ大会市場で重要な「下見」。その下見に欠かせないアイテムが「下見本」です。出品物が網羅された下見本は、使い方次第でとても便利です。下見本をガンガン使い倒して、競りを乗り切りましょう!

赤ペンやマーカーは使い方に注意

まずは、下見期間での活用方法から。基本的には「検品時のメモ」として下見本を使われる方が多いと思います。下見をしていて気付いた点や出品物の特徴を、あらかじめ記載されている情報にプラスアルファして書き込んでいきます。

例えばロレックスなら、ケースは横穴か否か(モデルが新しいか旧いか)、ガラスチップはないか、ブレスレットの伸びはどうか等々、あらゆる面からチェックします。総合的に見てコンディションをランク付けしておき、その時点の相場(自分の入札金額) をメモしておけば、万全ですね。

工夫次第でとっても便利な下見本を使いこなそう!工夫次第でとっても便利な下見本を使いこなそう!

さらにひと手間加えて、同じモデルが複数ある場合は、各々にメモしておきましょう。出品番号100と出品番号200が同じモデルなら、それぞれのページにその旨を書いておきます。

というのも同じモデルが複数出品されると、そのモデルに関しては最初に落札された金額がベースとなってくることが多いのです。先の例でいえば、出品番号100が10万円で落札されれば(よほど状態に差がなければ)出品番号200も近い金額で落札される可能性が高いです。同じモデルがどの箱番号に点在しているか記録しておけば、相場を予測してイチ早く入札できるから、競りで有利に働きますよ。

そして、下見本を最大限に活用する大会本番。当日は、なるべく早めに会場入りしておきましょう。早めに来れば当日配布される出品内容の訂正リストも落ち着いて見られますし、バイヤー同士の立ち話や場内の雰囲気を掴んでおくと、当日の競りの展開が予測できると思います。今日の買い気は強そうか?それとも伸び悩みそうか??下見本にメモしておいた相場とにらめっこして調整して、競りに臨みましょう。

最後に、注意点を伝えておきます。競り中に下見本を広げていれば、当然隣の人に見られる可能性があります。そこで注意しておきたいのが、ラインマーカーや赤ペンの書き込みは目立たせすぎないように!たまにデカデカと枠で囲っていたりする人を見かけますが「私はこれを買います!」と宣言しているのと同じですよね。

また、自分の入札金額はなるべく「符丁」を使って書きましょう。数字で書き込んでいたら、いくらで買うのか、手の内をさらけだしているようなもの。隣の人も(見たら悪いな...) と、意外と気を使うので(汗) 自分のためにも他の人のためにも注意しておきたいところです。

下見本はビジネス手帳やノートのように、工夫次第で様々な活用方法が見いだせると思います。いろいろな方法を実践してみて、ぜひ下見本を使いこなしてくださいね。

アールケイエンタープライズ 齋藤清齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ
執行役員 兼 オークション事業本部 本部長

Profile
グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。

388号(2016/03/25発行)17面

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