ZOZOUSEDをマーケットプレイスに 「リユースの急速な広がりに対し、一気に広げたい」

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ZOZOUSEDをマーケットプレイスに 「リユースの急速な広がりに対し、一気に広げたい」

2018年03月21日

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年間500億円の取扱高目指す

日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の取扱高は3Qで約2000億円。その中で、買取と古着のセレクトショップ運営を担っているのがクラウンジュエル(東京都渋谷区)の「ZOZOユーズド」だ。一社単独のサービスだったが、一気に取扱量を拡大するべく、マーケットプレイス化した。まずはコメ兵ゲオ(セカンドストリート)が参加。初日の出品総額約30億円でスタートした。【関連記事一面

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▲クラウンジュエル 宮澤 高浩社長


――なぜ、ZOZOユーズドをマーケットプレイス化することにしたんですか。

ZOZOタウン全体で非常に多くのユーザーが急速に増えています。その中でZOZOユーズドも高く成長しているんですけど、そこにもっと商品がたくさんあったり、もうちょっと違う商品があったら、お客さんに買ってもらうチャンスがもっとあるんじゃない か、というようなことを思っていまして。それを解決するためにマーケットプレイスにすることにしました。


――ZOZOユーズドの3Q取扱高は113・7億円で、前年比22・7%増となっています。このまま自社で商品量やラインナップの拡充を図るという選択肢もあったのでは。

自社でもけっこう一生懸命商品を集めているんですが、リユースの利用者の急速な広がりに対して、もっと一気に広げたいなとか、リユースをこのタイミングで楽しんでもらう人を一気に増やしたいなと考えた。そうなると、やはり既存のプレイヤーさんたちと一緒にマーケットを広げていった方が早いと思いました。


――取扱高は、どのくらいを目指しますか。

自社も他社も含めて、中期的に年間500億円くらいの取扱高を目指します。

セカストとコメ兵が出店

――今回、ゲオのセカンドストリートが1000点、コメ兵が2万点出品してスタートします。なぜ、この2社とはじめることにしたんですか。

コメ兵さんは、わたし達があまり強くない、ハイブランドとか高額品に非常に強い。 そういう意味で、僕たちとはジャンルが違うところを強化できる。 セカンドストリートさんはリアルで商品調達力が優れているので、ZOZOユーズドで「人気があるけどモノが足りない」みたいな所が一番強いんじゃないかと。それで2社にお話しをさせてもらいました。


――すでに、楽天やヤフーなど様々なマーケットプレイスがある中で、ZOZOユーズドに出品する側のメリットを教えてもらえますか。

ZOZOタウン全体で720万人以上の年間購入者がいる。非常に多くのトラフィックがここにあるということです。しかもまだ、リユース事業者にとっては未開拓のユーザーです。そこに商品を届けられるというのが魅力を感じてもらえるのがひとつ。ヤフオクでも楽天でもメルカリでも、何でも扱っている。ZOZOタウンは、ファッションに特化したところなんで、ファッションを売るために何が重要なのかというのを私たちは分かっているつもりです。一番高く、早く売れる場所にしていきたいと思っています。

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▲マーケットプレイス化したゾゾユーズド。コメ兵とゲオ(セカンドストリート)が出店。初日の出品総額約30億円でスタートした。古着店やリユース店 が、日本最大級のファッション通販ゾゾタウンに出店できるようになる

今期来期で着実に出店数増やしたい

――この後の出店募集は。

誰でもかれでも募集するわけではないんですが、今期来期で着実に店舗数、出店者を増やしていきたいなと当然思っています。具体的な店舗数はまったく決めていないですが、数十くらいという感じでしょうか。


――どういう基準を満たしていれば、参加できるんでしょう。

スパっという基準は無いんです。大きければいいとかそういうことでもなくて、ビンテージに特化しているとか、アメカジに特化しているとか、ジュエリーに特化しているとかそういうのでも全然良いですし、店舗型で規模感があるんだけど、これからECに力を入れていきたいというところとも良いですし。 私たちの開発状況もありますので、そういうところと照らし合わせながら、ファッションというカテゴリで本当に幅広く出店していただけると嬉しいなと思っています。

――ファッションでも、低単価な古着は違いますよね。3000円以上くらいのイメージでしょうか。

もう少し狙いは上だったと思いますが、ただあまり低単価なものは扱うつもりがないですね。


――コメ兵が参加されますが、これはブランド品とかジュエリーを出品するということですよね。

ZOZOユーズドってジュエリーとかハイブランドの服がいっぱいあるというイメージではなかったと思います。これからそういうマーケティングもしていかないとなと考えています。

「失敗させない」 体験大事にする

――ZOZOユーズドがマーケットプレイス化しても、ユーザーから見た目は変わらないんですか。

商品の下にどこが出品しているか分かるように情報が入りますが、お客さんはこれまでのZOZOユーズドと同じように買えます。若干違うのは、発送です。普通のマーケットプレイスだと、お客さんが商品を買ったら、各社が商品を発送する。ですが、わたし達の場合は、出品会社に一度当社の倉庫に送ってもらいます。私たちが全てチェックして、梱包したりしてお届けする。


――一度ZOZOユーズドの倉庫を経由するのは、時間と手間がかりませんか。

私たちはユーズドとしても非常にクオリティーを重視しているので、クオリティーを一定に保ちたい。「ここで買ったら間違いない」「失敗をさせない」という体験を大事にしているからです。

――ところで、ZOZOユーズドが伸びているのは、「買い替え割」が大きな要因になっていますね。ZOZOタウンで新品を購入する時に、購入履歴の中から下取りに出したいアイテムを選択すると、その場で下取り金額を割り引いてくれる仕組みです。商品調達への貢献度が大きいでしょう。

あれは、最強です。集まってくる商品の内、3~4割が買い替え割経由となっています。それだけ、下取りの利用者が多いということでもある。ZOZOUSEDマーケットプレイスでもこれが適用されるので、出品ストアにとっても販促になると思います。

第435号(2018/03/10発行)7面

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