《遺品整理ダイアリー Story1》マインドカンパニー、疎遠だった母が遺した息子名義の生命保険証

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《遺品整理ダイアリー Story1》マインドカンパニー、疎遠だった母が遺した息子名義の生命保険証

2019年10月09日

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〜遺品整理ダイアリー〜

思い出に寄りそって Story1

遺品は故人の人生そのものであり、残された者へのメッセージです。遺品整理の現場から生まれたストーリーをお伝えします。

マインドカンパニー
疎遠だった母が遺した息子名義の生命保険証

「孤独死というと高齢者をイメージされるかもしれませんが、我々がお手伝いさせて頂くケースは、もっと若い方の場合が多いですね」。こう語るのはマインドカンパニー(東京都大田区)の鷹田了代表だ。

高齢者は一人暮らしでも行政の支援があったり、持病があったりして、病院で亡くなる確率が高い。むしろ、60代迄の突然死の方が、発見が遅れることが多いのだという。

数年前、鷹田代表が依頼された遺品整理も50代後半の女性のものだった。心筋梗塞か何かを起こしたらしく、死後2週間程度経って、異臭に気づいた近所の住民の通報で発見された。

遺品整理の依頼者は40代の息子だった。息子は母親が水商売をしていることを嫌い、10年近く疎遠になっていた。「まさかこんなに早く逝くとは」と語っていたという。

保険証は息子への愛のメッセージ

依頼内容は故人の住んでいた2部屋のアパートを原状回復することだった。依頼者は遺品整理業者のブログを読み込み、孤独死の消臭を完璧に出来る業者が少なく、その一つがマインドカンパニーであることを突き止めて、名指しで依頼してきたという。

逆に遺品については何も言及しなかった。母親を失った悲しみと同時に、死後処理費用の負担を迷惑に思う気持ちもあったことだろう。しかし、どんな依頼であっても、鷹田代表は「時間をかけて全ての遺品を目視で確認する」というポリシーはくずさなかった。そんな作業の中で発見されたのが、故人が息子名義でかけた生命保険証だった。

故人の部屋は片付いていたが、質素な生活ぶりが伺えた。貧しい暮らしの中で保険金だけはかけ続けていたのだ。

「生命保険証をお渡しした時、息子さんは『そんなことまで考えてくれてたのか...』と絶句されていました。水商売をやっていると、口先だけの人間にたくさん出会うものです。だからこそ、生命保険という形で息子さんへの思いを伝えようとしたのでしょう」

生命保険証は母が息子に残した愛のメッセージだったのだ。

 

19_p3.png遺品整理では全ての遺品を目視で確認し、10種類以上に分けている

19_p1.png疎遠にしていた一人暮らしの母が息子に遺した保険証

19_p2.png自死した弟が姉と兄に対し「どうしようもない出来の悪い弟でごめんなさい」と記した遺書が発見されたこともある


故人の最後の引っ越しに誠意と優しさで向き合っています

19_p4.png     ▲脱臭マイスター認定資格者 マインドカンパニー 鷹田 了代表

前職は会員制のバーのバーテンダー。閉店を機に2008年に廃棄物収集運搬を手がける企業に就職し、自ら遺品整理業を立ち上げ、成長させた。2015年に独立してマインドカンパニーを設立。一般社団法人家財整理相談窓口の理事でもある。「遺品整理は故人の最後の引っ越し」と語る。ポリシーは「遺品が故人と遺族をつなぐ架け橋となるよう、誠意と優しさを持って向き合う」こと。特殊清掃、特に消臭の高い技術力を有し、近年は遺品整理を信頼できる提携先に託し、ニーズの高い消臭に力を入れている。

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