ギターショップバーチーズ、調整過程で故人の演奏偲ぶ

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ギターショップバーチーズ、調整過程で故人の演奏偲ぶ

2020年05月08日

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遺品整理ダイアリー Story8

思い出に寄りそって

遺品は故人の人生そのものであり、
残された者へのメッセージです。
遺品整理の現場から生まれた
ストーリーをお伝えします。

楽器は故人が演奏し、大切にしていたものだけに、遺族が処分に迷う遺品の一つだ。『ギターショップバーチーズ』はフォデラやケンスミスなどの高価なハイエンドモデルやフェンダーやギブソンといったヴィンテージのベースを中心に、ギターも扱う楽器店だ。同店はこれまで何度か、常連客の遺族から買い取りを依頼されたことがある。

2年ほど前、一人の女性から千葉俊之代表のもとへ電話があった。

「弟の楽器ケースの中に名刺があったので、ご連絡しました。遺品になった楽器が10本近くあるのですが、買い取って頂けないでしょうか」と言う。

女性の弟は同店で数本のベースを買い求めていた。暫く姿を見せず、どうしているかと思っていたが、50代の若さで亡くなっていた。千葉代表は買い取りの為に故人の自宅へ足を運ぶことにした。

故人は独身で、姉が玄関で出迎えてくれた。千葉代表は査定の前に仏壇へ手を合わせ、焼香させてもらった。遺品を買い取る時は、必ずそうしている。楽器の売買だけでなく、不調やメンテナンス、買い替えなどの相談に乗るなど、音楽を介して長く付き合ってきた人たちを悼む気持ちからだ。

店はJR大久保駅近くのビル6階店はJR大久保駅近くのビル6階にあり、日本を代表するベーシストも訪れる

楽器はクセを消して販売

買い取ったベースやギターは演奏者のクセを消し、完璧に調整してから販売される。その作業の過程で故人との思い出が蘇るという。

「その方もですが、消耗部品の付け方やフレットの磨耗などによって、故人の演奏のクセがわかるのです。ああ、こういう演奏をしてたのかと。すると、店で交わした会話や姿が脳裏に浮かんでくるんですよ」と千葉代表。

低音パートを演奏するベースはギターやドラムのような華やかさがなく地味だと言われるが、実際にはリズムを刻み、音楽の根源を支える重要な楽器だ。バーチーズはそのベースを愛した故人の想いを受け止め、その楽器に相応しい演奏者へ橋渡しする役割を果たしている。

ヴィンテージコーナーヴィンテージコーナー 
価格180万円のフェンダーも

ハイエンドコーナーハイエンドコーナー 
フォデラのアンソニー・ジャクソン・モデルも


遺品の買取の前には必ず仏壇に手を合わせています。


千葉俊之代表

ギターショップバーチーズ
千葉俊之代表

大手楽器店に約17年勤務。入社2年目に大手楽器店初のベース専門店を任され、それ以降はベース一筋。2014年7月にGuitar Shop Barchie's(ギターショップバーチーズ)をオープンした。最新のハイエンドからヴィンテージまで扱い、平均単価は30万円以上。幅広い人脈を駆使した海外からの新商品発掘とヴィンテージ楽器の目利きには定評がある。ブランドや骨董にとらわれない、楽器の本質的な魅力を見出し、案内する事をモットーにしている。

第486号(2020/4/25発行)19面

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