Kurokawa(キングファミリー)、低額古着の収益性改善に向け 「人手ゼロ化」計画遂行
2025年07月13日
コロナ禍の影響で日用衣料が売れなくなり、買取りが半減――低単価の古着チェーン店「キングファミリー」を運営するクロカワ(兵庫県高砂市)は、逆境に立たされた。しかし、黒川芳秋社長はこのピンチを変革のチャンスととらえた。人手ゼロ化のために新たな装置を開発。ローコスト経営に注力している。
古着をカゴ車に格納する装置
クロカワのチャレンジを知る前に、同社のビジネスモデルをおさらいしておきたい。同社は古着を重さで買い取るのが特徴。再販できる衣料なら1キロ50~150円。リサイクル資源にまわすものは1キロ1円で買い取る。集めた古着は平均単価450円の「キングファミリー」で販売。売れ残ったものは、110円・220円・330円の3プライス店「ちゃくちゃくちゃく」で売る。さらに売れ残った商品は海外に輸出。カンボジアで3店展開するリユース店で提供する。再販に向かないものは、ウエスや反毛などのリサイクル資源として売却する。
故繊維加工業からスタートしていることもあって、付加価値の高い衣料ではなく『不要になった衣料を有効活用する』ことをミッションにしている。
コロナ禍で買取半減
店舗20店閉鎖
日用衣料のインフラたろうとしてきたクロカワだが、「コロナ禍以降、低単価の古着業態は苦しくなった」と話す。「アパレル市場自体がピークの10兆円から7兆円まで下がりました。今は回復基調にありますが、渦中の際は人々が新品を買わないので、モノが全く出てこなくなったんです」
第611号(2025/07/10発行)11面