リユース企業 古着(洋服・服飾雑貨)売上ランキング2021(2019年度)
2021年03月19日
古着売上ランキング2021がまとまりました。リユース業界専門紙「リサイクル通信」がリユース企業の売上を調査、洋服・服飾雑貨売上のTOP20社をランキング形式で紹介します。尚、売上高は2019年度の実績値となります。
1:古着(洋服・服飾雑貨)売上ランキングとは?
古着(洋服・服飾雑貨)売上ランキングは、リサイクル通信が毎年1回、全国のリユース企業を対象に行う調査「中古(リユース)売上ランキング」をもとに、洋服・服飾雑貨の販売割合や販売量を算出し、紹介しています。
衣類の中で、主にメンズ・レディースの古着(ブランド古着含む)や、スポーツウェア、帽子や眼鏡等のアクセサリー、シューズ類を取り扱う企業が対象になります。
その他、総合的な調査結果はコチラの記事を参照ください:中古(リユース)売上ランキング2021BEST250(2019年度実績)
「中古売上ランキング2021」調査概要
FAX、メール、ウェブフォームを通じた企業からの直接回答のほか、取材活動やIR情報、また第三者機関データの一部を参考としている。表中の中古売上高の項目に※がついた企業においては、企業からの直接回答ではない本紙推計によるもの。調査期間は2020年9~11月。中古売上高1億円以上を対象とした。
2:古着(洋服・服飾雑貨)の市場規模は?
ランキング入りした企業の紹介に入る前に、洋服・服飾雑貨の市場規模についてご紹介します。
リサイクル通信の調査では、2018年のリユース市場規模は、2兆1880億円。そのうち洋服・服飾雑貨の市場規模は3379億円で、前年と比べて23.2%の成長をしています。
年々規模を拡大している古着のリユースは、リユース市場全体の15%以上の比率です。ブランド古着の人気は根強く、古着店から総合リユース店まで数多くの取り扱いがあります。粗利率も高いことから、大手リユース店の稼ぎ頭となっている場合も多く、現在も機能性のあるアウトドアやスポーツ関連の洋服・服飾雑貨は人気です。
出典:リユース業界の市場規模推計2020(2018年版) リサイクル通信2020年9月25日号
3:売上ランキングTOP20社を紹介
ここからは、中古品(リユース)ブランド・宝飾品売上ランキングのTOP20社を紹介していきます。※印はリサイクル通信の推計値、正確な数字とは異なる場合があります。
20位 ヴァンベール(たんぽぽハウス) 洋服・服飾雑貨中古売上 7.2億円
20位は東京都中央区に本社を置くヴァンベールです。「ファッションリサイクル たんぽぽハウス」の運営管理、古着のリサイクル販売・買取を行っています。東京に14店舗、千葉に3店舗展開しています。
19位 オカモト リユース・マーケティング・カンパニー(なんでもリサイクルビッグバン) 洋服・服飾雑貨中古売上 7.4億円
19位はオカモト リユース・マーケティング・カンパニー。本社は北海道帯広市にあり、なんでもリサイクルビッグバンを北海道に12店舗展開しています。他にも、北海道各地にキングラム、ツールファクトリー、古着王国、ゴルフランドを展開しています。
18位 REGATE(FUKU CHAN) 洋服・服飾雑貨中古売上 7.6億円
18位にランクインしたのは、REGATEです。大阪府大阪市を拠点にリユース業やWEB事業に取り組んでいます。同社経営のFUKU CHANは、大阪を中心に、愛知や東京、仙台などに店舗展開し、中古品買取事業を行っています。
17位 大宮電化(ハードオフ・オフハウス) 洋服・服飾雑貨中古売上 7.8億円
17位は、大宮電化です。本社は埼玉県さいたま市にあり、リユース事業を中心に埼玉県、千葉県、東京都に展開しています。ハードオフコーポレーションのフランチャイズに加盟しており、ハードオフやオフハウスなどを運営しています。
16位 ゼロエミッション(ハードオフ・オフハウス) 洋服・服飾雑貨中古売上 7.9億円
16位は東京都八王子市大和田町を拠点に事業を行う、ゼロエミッションです。17位の大宮電化と同じくハードオフコーポレーションやブックオフコーポレーションチェーンに加盟しており、東京都、埼玉県、神奈川県、山梨県でハードオフやブックオフなどの多店舗展開を行っています。
15位 KUROKAWA(キングファミリー) 洋服・服飾雑貨中古売上 8.6億円
15位にランクインしたのは、KUROKAWAです。兵庫県高砂市に本社を置き、キングファミリーのフランチャイズ本部や、店舗での古着買取・販売・輸出を行っています。関東や中部、近畿、中国四国、九州地方に事業展開をしています。
14位 東都クリエート(オーディン・エコ市場) 洋服・服飾雑貨中古売上 9.3億円
14位は、福島県福島市に本社を置く東都クリエートです。リユースリサイクル商品の買取販売を中心にオーディンやエコ市場などを運営し、東北や関東地方、そしてカンボジアやミャンマーなどの海外にも店舗を展開しています。
13位 JAMTRADING(古着屋JAM) 洋服・服飾雑貨中古売上 11.1億円
13位は、JAMTRADINGです。本社は大阪府大阪市にあり、海外の古着・アンティーク家具・雑貨等の輸入販売を事業としています。大阪府と京都府で、古着屋JAMの他、Elulu by JAMやLOWECO by JAMを運営しています。
12位 ヤマト(トイズキング・リアルクローズ) 洋服・服飾雑貨中古売上 12.6億円
12位は、ヤマトです。本社を愛知県名古屋市に置き、おもちゃ・フィギュア事業、ブランド・ファッション事業などを行っています。同社が経営するトイズキングとリアルクローズは、全国に店舗を展開しています。
11位 STAYGOLD(BRAND REVALUE・BRING) 洋服・服飾雑貨中古売上 15.1億円
11位は本社を東京都渋谷区に置く、STAYGOLDです。東京都や関西エリアなどでリユース事業を行っており、アパレルブランドリユース事業であるBRING、総合リユース事業のBRAND REVALUE、アクセサリーブランドリユース事業のOne Styleを運営しています。
10位 ワンダーコーポレーション(WonderREX) 洋服・服飾雑貨中古売上 18.8億円
10位は、ワンダーコーポレーションです。茨城県土浦市に本社を置き、リユース事業としては、関東や中部地方などを中心に様々な商材を取り扱うWonderREXを経営しています。その他にも音楽、映像ソフト、コミックのレンタル事業、カフェ&ベーカリー等の飲食事業、フィットネス事業など多岐にわたって展開しています。
9位 買取王国(買取王国) 洋服・服飾雑貨中古売上 23.2億円
9位は、愛知県名古屋市に本社を置く、買取王国です。愛知県を中心に、中部や関西地方で買取王国やマイシュウサガール、工具買取王国、WHYNOT、Recoを直営し、古着や工具、高級ブランド品、家電、ゲーム、お酒などを販売、買取しています。
8位 エコリング(エコリング) 洋服・服飾雑貨中古売上 23.4億円
8位にランクインしたのは、エコリングです。兵庫県姫路市に本社を構え、関西や関東を中心に買取事業、ブランド品専門店運営、インターネット販売などの事業を行っています。最近ではテレビやラジオなどのメディアに数多く出演しています。
7位 原宿シカゴ(原宿シカゴ) 洋服・服飾雑貨中古売上 27.3億円※
7位は原宿シカゴです。本社は茨城県稲敷市にあり、古着販売、輸出、産業用ウエスの販売事業のため、東京都と京都府で直営店舗を運営しています。様々なテレビ番組や映画に衣装リースもしています。
6位 ハードオフコーポレーション(オフハウス・モードオフ) 洋服・服飾雑貨中古売上 44.8億円
6位は、7位と20億円ほど差が開いた、ハードオフコーポレーションです。本社は新潟県新発田市にあり、リユース事業を軸に、ハードオフ、オフハウス、ガレージオフなど、7業態の多店舗展開を行い、それらのフランチャイズ事業も行っています。商品をネットで検索し購入できるネットモールというサイトをリニューアルオープンしています。
5位 未来ガ驚喜研究所(RINKAN) 洋服・服飾雑貨中古売上 53.2億円※
5位にランクインしたのは、未来ガ驚喜研究所です。本社は東京都渋谷区にあり、デザイナーズブランドの買取・販売、学生と企業のマッチングサイトの運営、リベラルアーツを用いた研修事業を行っています。それぞれ、RINKAN、Archive Store、LIBERABを運営しています。
4位 トレジャー・ファクトリー(トレジャーファクトリー) 洋服・服飾雑貨中古売上 90.8億円
4位は、トレジャー・ファクトリーです。東京都千代田区に本社を置き、リユース事業を中心に、ライフサポートサービス、オークション事業、などの事業を展開しています。リユース事業の中でも、トレジャーファクトリーの運営で、5位と40億円程差を付け90億円以上の売上を出しています。
3位 ブックオフグループホールディングス(ブックオフ・ブックオフスーパーバザー) 洋服・服飾雑貨中古売上 99.5億円※
3位はブックオフグループホールディングスです。本社は神奈川県相模原市にあり、ブックオフなどで中古書籍やDVD、ゲームを買取販売するほか、ブックオフスーパーバザーなどで中古アパレルやスポーツ用品などを取り扱っています。ヤフオク!ベストストアアワード2020ではブックオフオークションストアが総合賞1位を受賞しています。
2位 ZOZO(ZOZOTOWN・ZOZOUSED) 洋服・服飾雑貨中古売上 150.0億円
2位は、本社を千葉県千葉市に置く、ZOZOです。ファッション通販サイトZOZOTOWNを運営するZOZOTOWN事業とブランドの自社ECサイトの運営支援を行うBtoB事業を軸に事業展開をしています。今後はプライベートブランドZOZOの本格始動を予定しています。
1位 ゲオホールディングス(セカンドストリート) 洋服・服飾雑貨中古売上 662.6億円
1位は、愛知県名古屋市に本社を置くゲオホールディングスです。リユース事業を中心にゲオストア、セカンドストリートなどを運営しています。その中でも、セカンドストリートの運営で、2位と500億円以上の差をつけた売上を出しています。また、最近ではセカンドストリートを拡張した、スーパーセカンドストリートの店舗展開を進めています。
4:2021年(2019年度)調査から見えた変化
洋服・服飾雑貨のランキングでは、「セカンドストリート」を運営するゲオHDの規模が浮き彫りとなりました。また2位にネット専門のZOZOがランクインしましたが、それ以外の企業はオフラインの店舗が主軸となっており、古着の主戦場はリアルであることが分かります。
特に存在感を発揮しているのは、ブックオフやトレファク、ハードオフ、ハードオフのフランチャイジーなど、大手総合リユース店です。各店舗とも単価は比較的低い一方で売上は多いことから、大量の古着を高回転で販売していたと予測できます。
その一方で、高単価な古着や服飾雑貨を扱う企業やネット系の古着店大手は少ないのが現状です。ネットではフリマアプリが売買ともに強く、大手の育ちにくい環境があることが考えられます。
5:まとめ
古着店は大手総合リユース店の存在感が大きい分野であることがわかりました。特に数多くの古着を裁くことのできる大型店を展開している企業が目立ちます。
一方、新型コロナで「外出自粛」「ステイホーム」などの文化が生まれたことから、衣類のニーズは下がり、オフプライスストアなどの新業態も生まれています。2021年の古着業界は大きな転換点の中にあるといえそうです。
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