【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.26 バングラデシュ編(後編)

検索

「クーボンの海外リユース探訪記」

【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.26 バングラデシュ編(後編)

2024年02月28日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今回もっとも印象的だったのは、「ダッカ近郊ビル崩落事故」(ラナプラザの悲劇)の現場に建てられた慰霊碑でした。労働者のシンボルである「鎌と槌」をあしらったこの慰霊碑は、およそ4000人以上の死傷者を出した大事故を後世に伝えています。

ラナプラザの悲劇乗り越え
環境改善で高品質なモノ作りへ

ワサビ ラナプラザ跡地に建てられた慰霊碑ラナプラザ跡地に建てられた慰霊碑

2013年4月24日。8階建ての商業ビル「ラナプラザ」が崩れ落ち、建物内にいた利用客、縫製工場の従業員ら合わせて1100人以上が死亡。負傷者約2500人、行方不明者約500人という大惨事となりました。事故の原因は、ビル所有者によるずさんな安全管理体制や違法建築の繰り返し、危険が指摘されたにも関わらず従業員に強制労働を強いたことなどです。しかし、その素因は海外の大手ファストファッションブランドによる搾取体制でした。彼らが長きにわたって低賃金と過酷なノルマを発展途上国の工場に強い、現地のずさんな職場環境を黙認し続けた結果なのです。2025年には1634.69億ドル(約24.01兆円)を超える成長が予想されるファストファッションビジネスの舞台裏には、このような犠牲があることを知っておくべきでしょう。

この大惨事は、世界各国に対して「誰も犠牲にならない継続可能な成長と発展」の重要性を伝え、2015年9月の国連サミットで「SDGs」が全会一致で採択されました。

有料会員登録で記事全文がお読みいただけます

第578号(2024/02/25発行)20面

Page top
閉じる