英国116店質チェーンをグループ化 ― 大黒屋 小川浩平社長

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「インタビュー」

英国116店質チェーンをグループ化 ― 大黒屋 小川浩平社長

2015年12月29日

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中国・米・東南アにも進出 「グローバルナンバー1に」

質とブランドリユースを行う大黒屋(東京都港区)のグループ会社が、イギリスで116店を展開する質店チェーンを買収した。グループ会社の社長で大黒屋の社長も務める小川社長は、これからヨーロッパ、アメリカ、中国、東南アジアと世界を攻めていくと話す。目指すは、ブランドリユースの世界ナンバー1企業だ。

イギリスで2ブランド展開

――M&Aで取得した「イギリスの質店」というのはどんな会社ですか。

SPEEDLOAN FINANCE(スピードローンファイナンス)は質店・ジュエリー販売としてイギリスナンバー2の会社で、ロンドン周辺や中部、イングランド北東、スコットランドに116店を展開しています。大黒屋は日本で20店を展開しているので、店舗数では6倍規模で売上高は、79億円を見込む会社です。

――イギリスでも質店が多店舗展開しているんですね。

中低所得者向けにすごく浸透しています。向こうは移民の方がいるので、貴金属とか時計とかを持っていき質入れして生活費を調達しています。また、大英帝国時代の植民地の方もよく利用しています。

さらにスピードローンファイナンスでは最近、中産階級以上のイギリス人も徐々に開拓できているところです。

――中産階級以上も、質を利用するんですか?

2つブランドを展開してまして、Albemarle&Bond(A&B)というのが質店ですが、HerbertBrown(HB)の屋号で小売りもしているんです。中産階級以上のお客さんが利用するといったのはこちらのことです。今約20店あります。

中国に合弁会社 北京と上海に出店

――M&A後に、どんな展開を考えていますか。

大黒屋のビジネスモデルを移植して、質・買取り・販売をやっていきます。時計と宝飾品はすでにやっているのですが、ブランドバッグは未着手です。これに取り組めるかどうかが課題です。

イギリスを足がかりに、ヨーロッパの同業他社の買収も行っていきたいと思っています。例えばスペインなんかも移民の方が多いので需要が大きいでしょう。

――海外展開に積極的ですね。

むしろブランドを扱っているのに、日本でしか展開しないのはどうでしょうか。ヨーロッパはそもそもブランド産地だし、中国は日本の3倍ブランド品の購買力があります。

――その中国にも、進出するとか。

ええ、中国の企業と合弁会社を立ち上げます。まずは北京と上海に1店ずつ出店するつもりです。中国のブランド市場は5000億元あると推計されていて、中古ブランドはその10%、500億元と予想されます。大きな可能性を感じていますよ。それとタイでも先般、メディアプレゼンテーションを行ったんですが......。

――タイにも出店するんですか。

出店の予定で発表しましたが、テロがあったので今は様子見の状態です。

ただ、タイ以外にも東南アジアを色々と見ているんです。フィリピンなども市場があると思います。東南アジアは、成長率がすごいですから。

アメリカへの進出も予定していて、これから5年後にはブランド品リユースの世界ナンバーワンを目指すつもりです。

会社概要
会社名:株式会社大黒屋
創業:1947年(昭和22年)4月
資本金:3,050万円
決算:9月30日
代表取締役社長:小川浩平
事業内容:
 ・ブランド品(バッグ・時計・宝飾品等)、ジュエリー、洋服などの買取・販売
 ・質業
本社住所:東京都港区港南4-1-8 リバージュ品川3F 

プロフィール
昭和31年、東京生まれ。慶応高校・慶応義塾大学経済部卒。昭和62年、コロンビア大学経営大学院修士課程終了。トーメン(現:豊田通商) を経て、ゴールドマン・サックス・アンド・カンパニー入社。NYでLBOやプライベートファイナンスに携わる。香港系財閥代表を務めたのち、平成9年森電機(現:アジアグロースキャピタル) 社長就任。平成25年より、買収した大黒屋の社長を兼務し、ハンズオンで経営に携わる。平成27年、英国質金 融子会社を買収。同年、中国政府系企業と合弁での中国進出で合意。中古ブランド品でのグローバルNo.1を目指す。

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382号(2015/12/25発行)5面

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