《ブランド市場バイヤーに学べ23》注目集める北米市場、輸出大幅増

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「ブランド市場バイヤー 齋藤清の俺に学べ!」

《ブランド市場バイヤーに学べ23》注目集める北米市場、輸出大幅増

2016年07月25日

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第23回 海外情勢に揺れる古物相場

早いもので2016年度も第1四半期が終わりました。この3ヶ月間は、特に国内外の情勢が目まぐるしく動いたことで、中古ブランドの古物相場やトレンドにもさまざまな影響がありましたね。今回は最近のニュースやトピックを踏まえて、相場の動きについて考えたいと思います。

なんといっても記憶に新しいのは、イギリスのEU離脱問題でしょう。国民投票の結果、「離脱派」が「残留派」を上回ったことで、株価や為替も大きく揺れ、一時はドル円相場も100円を割りました。本原稿を執筆している7月中旬現在は100円台で推移していますが、今後どうなるか予測が立ちにくい状況です。

当然、古物相場も影響を受けていますが、今のところ下げ幅は為替レートの低下分(円高幅) にとどまるようです。国内小売が堅調でロレックスを中心にニーズが衰えていないことから、かつてのリーマン・ショックのように、世界経済の悲観ムードによって、相場が下げ一辺倒になってしまう事態には陥っていません。もちろん楽観視はできませんが、今すぐ相場が値崩れすることはなさそうです。

注目集める北米市場、輸出大幅増

ときに、インバウンド事情はすっかり様変わりしましたね。昨年大きな盛り上がりを見せた中国人旅行客の"爆買い"も今やすっかり鳴りを潜めています。今年に入り、中国政府が打ち出した銀聯カードの引き出し額の制限や、高級品の関税引き上げなどが大きく影響しているのでしょう。

インバウンド特需の象徴でもあった某大型免税店も、昨年から株価を大きく下げ、ムーブメントは一服した感があります。とはいえ、中国市場の成熟によって高級品のニーズも変化しつつあるようですから、遅かれ早かれ今のような状況になっていたのではと思います。

一方で、近年注目を集めているのが北米。これまで腕時計やバッグの輸出先はアジア市場(中国や香港) が主でしたが、徐々に北米市場へとウェイトが移りつつあります。腕時計に関していえば、これまで香港に流れていた在庫は、かつての10分の1程度になっているのではないでしょうか。

昨年にアメリカの税関の縛りが緩和されたことで、ここ1年で北米市場への輸出は大幅に増加しています。日本国内ではやや売りにくい商材(コンディションが良好でないものetc...) も、北米では値段がつきやすいことから、マーケットの規模感も相まって期待が高まっています。「eBay」などのECサービスの台頭によって北米への輸出ハードルは低くなっていますから、今後もトレンドは続きそうですね。

EU離脱決定に始まり、国内分裂が噂されるイギリスの問題や、先行き不透明感が募る中国経済などなど・・・振り返れば、ここ最近の古物相場は海外情勢に翻弄されています。売り買いで損をしないためにも、相場の値動きの背景にある、こうした事情により一層目を配っていきたいところですね。

アールケイエンタープライズ 齋藤清齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ
執行役員 兼 オークション事業本部 本部長

Profile
グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。

396号(2016/07/25発行)25面

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