中古ブランド免税販売の行方、中間層向け手頃な価格帯厚く

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中古ブランド免税販売の行方、中間層向け手頃な価格帯厚く

2016年02月12日

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インバウンド需要は、今後どのように推移していくか。有力ブランド小売店5店に今後の需要予測と対応策について聞いた。(関連記事1面)

インバウンド需要予測と今後の対応策

免税売上が伸びるコメ兵銀座店の中桐店長は、今後も需要は増えると予測。客単価は下がるが客数が伸びる傾向は変わらないと見る。免税のポップを分かりやすくし、値札にも免税価格を記載すると話す。また、同じく好調なブランドオフ銀座本店の漆屋東京第一マネージャーも客数は増えると見ており、観光客対応スタッフを増強し、中間層向けの品揃えを厚くしていく考えだ。

一方、免税売上が減った店はどうか。大黒屋銀座店の竹之内店長は、中国経済の減速を受け緩やかに需要は落ちていくと見ており、日本人向けの小売りを強化。高額品ではなく、ヴィトンやプラダなどの品揃えを増やすと話す。心斎橋の有力ブランド店の店長も徐々に減少していくと見ており、これまでの受け身な姿勢から積極的に仕掛ける必要があると考える。

また、銀蔵心斎橋本店の木村シニアマネージャーは、2020年に向けて需要は伸びるが、楽観視はできないと慎重な見方。外国人観光客の好みを見極めた品揃えにする一方で、日本人のお客向けも強化すると話す。

このように今後の需要予測は、各店意見が分かれ、不透明感が浮き彫りとなった。ただ、全体的にエルメス等の高額ブランドの需要は鈍化しており、ヴィトン等の手頃な価格帯を厚くしていく模様。大量に買うバイヤーではなく、観光客のニーズにどう対応していくかが免税売上を増やすポイントとなりそうだ。

385号(2016/2/10発行) 3面

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