遺品整理業者に一般廃運搬認める

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遺品整理業者に一般廃運搬認める

2019年09月24日

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遺品整理業者に一般廃運搬認める
福岡市が公募 2社のみに許可

これまで取得が容易でなかった一般廃棄物収集運搬の許可を、遺品整理シーンに限定し業者に認める自治体が現れた。福岡市は7月末、これを2社にのみ認めた。2社は許可業者と連携することなく、遺品整理現場から清掃工場までゴミを自社で運べる。同市によると、この取組みは全国政令市で初という。仮に他自治体でも広がれば、業界内で注目を集めそうだ。

福岡市は2月、遺品整理と引越業者を対象に、遺品整理や引越の現場で生じたゴミを運搬できる新規許可の立ち上げに乗り出した。

特に遺品整理は、「今後需要が増えていく」(福岡市収集管理課担当者)とし、不用品処分を行う作業日のうちにゴミの撤去を済ませられることが、依頼主にとって好都合との考えだ。また孤独死となった現場では、体液で汚れた家財が異臭の原因ともなり得、遺族や物件オーナーから、迅速な撤去を求められる状況がある。

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ルールがグレーの中、決め手は委託記録か

市は3~5月に公募を実施。この間に、電話やメールで相談を受けるほか、窓口に来庁した業者に説明するなど、60社超から問い合わせを受けた。結果7月、遺品整理業を行う友心(福岡県大野城市)とダイワテクノサービス(福岡県宗像市)の2社に許可を与えた。市は審査にあたり、「福岡市に営業所や車庫を持っているか、また古物事業の実績、さらに廃棄物処理法に則った上で、遺品整理サービスを1年以上継続できていたかなど、7つの要件を見て合致したのが2社だった」(同担当者)という。

市は明確な決め手について詳細を明かさないものの、ゴミを運搬委託する際の記録が信憑性の高いものだったかが、許可取得のカギとなったと考えられる。友心の担当者は、「無許可の業者が自社運搬できてしまうグレーな状況の中、正規ルートでやってきたことで、許可業者からの認知も得られ、取得の後押しとなったのでは」と話す。

またダイワテクノサービスの担当者は、「これまでの活動記録、例えばいつ遺品整理案件をこなし、その際にどの許可業者と連携したかなど、その整合性を市は見ていたのでしょう」と話す。さらにダイワテクノサービスの担当者は、ゴミを減らす取組みについても言及。「例えば家具家電のリユースや鉄くずリサイクルなど、自社で目利きを行い、ゴミ削減にも貢献していたかどうか。他所では遺品整理サービスを謳うだけで、家財を丸ごと許可業者に横流しする所もある」

友心は2014年に遺品整理業を創業。九州全域と山口県を対象に、月間30件程の案件をこなしている。一方ダイワテクノサービスは、工場などの環境機器整備を主事業に設立。12年に遺品整理業を開始した。福岡県を中心とした九州北部と山口県を対象に、月10件程の案件をこなしている。

自社運搬でコスト減
サービス単価下げる

本件は2社の今後にプラスに働きそうだが、動きは二分するようだ。

友心は緊急時のみの対応とし、従来通り許可業者との連携を主体とする。福岡市には現在13の一般廃棄物収集運搬の許可業者が存在。繁忙期や予約集中などが起きた際にだけ、自社運搬を活用していく。一方ダイワテクノサービスは、許可を積極的に活用していく考え。自社運搬を可能としたことで、これまで処分委託にかけていたコストを削減でき、遺品整理サービスの単価を下げる。競合他社との相見積もりにも勝てるとの考えだ。

今後2社に遺品整理を依頼した利用者にとって、作業日にゴミの撤去が約束されることはメリットだ。市は2社の動きを見ながら、今後の追加公募も検討していく。因みに今回の限定許可では、生前整理は対象外。本件と同様の取組みが他自治体に広がれば、各地の遺品整理業者も動き出すだろう。


一般廃棄物について
廃棄物は大きく分けて、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」がある。産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定める20種類を指し、それ以外の廃棄物(可燃ゴミなど)が一般廃棄物とされている。一般廃棄物については、市町村が処理責任を持っている。各市町村長より許可された業者のみ、一般廃棄物の収集運搬業を行える。

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