合成ダイヤ買取対策講座~債権回収の実際(強制執行編)~

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合成ダイヤ買取対策講座~債権回収の実際(強制執行編)~

2020年06月16日

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ジュエリー法務相談室運営 新田真之介先生の
弁護士視点から考える合成ダイヤ買取対策講座

~第7回 債権回収の実際(強制執行編)~

前回お話しした、催告などをどれだけやっても相手方が任意に支払ってこない場合には、法的な手続を用いて強制的に債権を執行します。

法的手続きには大きく2つのステップ(1)債務名義を取ること(2)債権執行の手続きを取ること、が必要です。

 

(1)債務名義とは

強制執行をするためには、裁判や調停を起こして「判決」や「和解(調停)調書」などの「債務名義」をもらう必要があります。

日本の法律では、弁護士に頼むことは必須ではなく、特に簡易裁判所の調停では費用も安く手続きも簡易なので、債権者本人でも十分に可能だと思われます。手続を起こすことで、それまで逃げていた相手方も話し合いに応じる場合もあります。

判決よりも和解や調整のほうが、双方の合意によって成立しているため、心理的にも任意に相手方から支払われる確率は高いといえます。

(2)強制執行とは

次に、勝訴判決や和解調書を得ても、それだけで相手方が払ってくるとは限りません。判決が出ているにもかかわらず逃げてしまって払われない場合は、差押えの手続を行います。最も可能性が高いのが、銀行預金と給与の債権差押えです。

銀行などの預金債権の差押えを行うためには、銀行名だけでなく支店名まで特定することが必要です。つまり相手方がどの支店に口座を持っているかがわかっていなければならないわけです(揉める前の段階で相手方の情報を確保しておくことが大切であることを本連載⑤で書きました)。

「そんなのわかるわけがないじゃないか」というケースも多いのですが、住所地から近い支店や職種や事業の取引先の関係からある程度までは推測することもできますし、最近は弁護士会照会という制度(弁護士法23条の2)により主要なメガバンクは全店舗照会ができるようになりましたので、銀行本店に一定の照会手続(確定判決が取れていることなどが必要です)をすれば、相手方がどこの支店に口座を持っているか、残高はいくらかの回答をしてくれます。

給与債権の差し押えについても、給与が高い人はある程度の回収効果が見込まれます。また、職場に知られると恥ずかしいという心理的ダメージもあり、その後任意で払ってくることもあります。

最後の手段として、相手方が所有する不動産や動産差し押えがありますが、競売などにかかる費用が高いので、低額の債権回収の場合にはあまりコスパは良くない場合が多いかもしれません。

 

新田真之介


新田真之介(にった・しんのすけ)
宝飾小売店、買取店等の顧問・法律相談などを行うジュエリー法務相談室を主催する。新田・天野法律事務所、東京弁護士会所属。日本ジュエリー協会2級ジュエリーコーディネーター。慶應義塾大学法学部、東京大学法科大学院修了。

第489号(2020/6/10発行)5面

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