本紙前号(1月10日号)で掲載した「中古売上ランキング2021」のデータを基に、「ブランド・宝飾」「洋服・服飾雑貨」「家具・家電」「ホビー」「メディア」「PC・携帯」「チェーン中古売上」「チェーン店舗数」「ネット売上」「成長率」の10部門にてトップ15~20の企業を紹介する。
ゲオ4部門、エーツー2部門で1位
「ブランド・宝飾」ではコメ兵、バリュエンスホールディングスの2強に変わりはない。2社とも弊社推計値となるが、売上200億円未満の3位大黒屋ホールディングス以下を大きく離していると見られる。ブランド・宝飾業界では、コメ兵はブランドオフ、バリュエンスHDはNEO-STANDARDを買収したようにグループ拡大の動きが激しい。今後の業界再編にも注目したい。新しい顔ぶれで言えば、13位STAYGOLD(60.6億円)、18位ワンダーコーポレーション(36.0億円)だ。STAYGOLDの直営店は、都市部の空中階に店舗を設け、ウェブで集客するモデルで成長中。渋谷や銀座、新宿といった競合店が多数ひしめく中、成約率は90%程度と買取力に自信を持っている。FC事業やネットオークション事業も展開しており、存在感を高めている。ワンダーコーポレーションは総合リユース業態「WonderREX」の専門店化や南関東出店を盛んに仕掛けている。その中でブランド品も強化している。仕入れでは買取専門業態「REXT」の出店や、店内イベント型買取の「買取鑑定会」が肝になっていそうだ。
「洋服・服飾雑貨」では、やはり「セカンドストリート」事業で成長中のゲオホールディングスだ。同社のリユース系リユースに当たる600億円以上の売上は、洋服・服飾雑貨に限らないものの、150億円で2位のZOZO以下と大きな開きがあると見られる。そのZOZOと言えば、ZOZOTOWNで購入した商品をPayPayフリマに簡単出品できる機能を提供している。ヤフーのグループ力を活かした今後の成長が気になる。3位以下ではブックオフグループホールディングス、トレジャー・ファクトリー、ハードオフコーポレーション、買取王国など総合リユース勢が並ぶ。現在は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、洋服・服飾雑貨の売れ行きは以前よりも厳しそうだ。今後も大手の売り場や売り方の改革の動きには、目を見張りたい。
「家具・家電」には前回調査から順位の変動が見られた。今回の1位は中古家電輸出大手の浜屋。中古売上のうち家電が7割を占め、35.1億円を上げた。2位は33.3億円と僅差のトレジャー・ファクトリーだ。前回と顔ぶれに大きな変化はないが、15位にベストバイが入った。
第504号(2021/1/25発行)10~12面