ウクライナ情勢、中古取引に余波

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ウクライナ情勢、中古取引に余波

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ロシアのウクライナ侵攻による情勢悪化の余波が、リユース業界にも押し寄せている。希少資源の相場高騰を背景に大手中古車競売の落札単価は100万円超となり、部品取りを行う業者の間では仕入れ競争が激化。また中古品の売買に使われる各越境サイトでは大方、露との取引が停止状態にある。

▶中古車落札単価が「異常値」100万超
▶パラジウム相場、年末から2倍に高騰
▶越境ECサイト、大方が露と取引停止

日本でも反戦デモが行われている(東京・新宿)日本でも反戦デモが行われている(東京・新宿)

「支払い残が100万円弱。入金がない」。露に中古タイヤを輸出する岩手の業者は嘆く。国際銀行間通信協会が露大手銀行向け送金を取りやめた影響が及んでいる。

自動車触媒に必要なパラジウムや、半導体製造に使われる希少ガスは、世界的に露に産出依存しており、日本では新車生産の滞りを警戒する動きが広がる。ユー・エス・エスが営む中古車競売では2月の成約車両単価は100万6000円となり、99年4月の情報開示以降で初の100万円超えとなった。加盟店が中古車オークションに参加している、中古車リサイクルパーツ販売のビッグウェーブの服部厚司社長によると「これは異常値。昨年から半導体不足により新車供給は細り、中古車相場が高騰。中古車仕入れは平時の3~4割減という状態が、足元ではそれ以上」。

貴金属ではパラジウムほか金が高騰している。田中貴金属では金が20年4月に1gあたり6000円突破後に7063円まで上昇し、現在8000円台を付ける。日本マテリアルではパラジウムが年末に1g7000円まで下落も、年始から急騰し1万3563円まで上昇した。「パラジウムはロシアで多く取れる。戦争により物が出てこないとわかり、相場が上がった」(同社担当者)。アールズトラストが営む買取店では、貴金属の買取額が3月14日までの2週間で2月分の買取額を上回った。

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第532号(2022/3/25発行)1面

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