マチラボ、セレクトしない店づくり

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マチラボ、セレクトしない店づくり

2022年09月24日

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人口約7万人の市に注目を集めるリサイクルショップがある。このほど1周年を迎えたリサイクルショップ、マチラボ(大分県佐伯市)だ。 スーパーの跡地という広大な場所を活かし、中古品ならなんでも陳列。その"セレクトしなさ"が反響を呼び、地域住民だけでなく近隣のリユース店や雑貨店などの業者も買付けに訪れる。元八百屋という店主が語るキーワードは「鮮度」だ。

八百屋時代の「鮮度」を頼りに

値札は付けない

300坪あるスーパーの跡地は、土地代も含めて約1000万円で購入した300坪あるスーパーの跡地は、土地代も含めて約1000万円で購入した

薬師寺祐輔代表は開業前まで、魚の加工会社や野菜の小売店などで働いてきた。いわゆる生ものを扱ってきたため、鮮度の落ちないうちに売りさばく手腕が自然と身についた。前職時代からリユース店の経営も視野に入れていたが、一方で専門知識のなさが課題だった。そこで前職の知恵を強みに、店づくりを模索することに。「今は専門特化型のリユース店が多い。そこから差別化するために、あえてなんでも取り揃えようと。回転率の高ささえあれば、それで店は成り立つ」と薬師寺さん。

そうして考案したのが、値札をつけないというユニークな施策だ。値段はレジに持ち込んだ際に初めて分かるという仕組み。たとえば、小型家電は500~1000円、家具類なら3000~5000円、服は1着あたり100円~、とその場で値付けしていく。場合によっては、購入客側からの値段交渉も受け付ける。「買付け業者さんからは『値段が安すぎる』とかえって注意を受けるほど」と薬師寺さんは苦笑する。現状の店舗月商は約60万円で、決して高いとは言えない。それでも経営が成立するのは、別のルートから収益が確保できるためだ。

あえてなんでも置くあえてなんでも置く

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第544号(2022/9/25発行)20面

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