今年7月、古書の買取と販売等を手掛けるネット古書大手のバリューブックス(長野県上田市)の新社長に、鳥居希氏が就任した。これまで同社の課題の1つであった赤字体質が、オペレーション変更に伴い解消にめどが立った。今後、鳥居氏は会社組織、特にジェンダーギャップ解消等の「ヒト」を軸にした改革を進めるという。
優先順位の修正で赤字体質を脱却
ネット古書大手企業に
外資証券出身社長が就任
写真提供:B Market Builder Japan/撮影:西田香織バリューブックス
鳥居 希新社長
創業者とは幼馴染
親世代の交流が契機に
──バリューブックスは、ネット古書の大手として知られていますね。社長に就任された鳥居さんは、外資系証券会社のモルガン・スタンレーで活躍され、2015年にバリューブックスへ入社しています。どのような経緯だったのでしょう。
鳥居 モルガン・スタンレーを辞めたのが13年でした。そこから1年少々、別の会社の役員をして、地元の長野県上田市に14年11月に戻りました。当時は、自分で起業をしようと思い、いろんなコワーキングスペースを見たんですけれども、その中で創業者の中村大樹と再会しました。
──再会というと?
鳥居 中村とは幼なじみで、親同士が同じ会社に勤めていて仲が良かったんです。起業したいと考えていたので、中村に経営者、起業家として相談にのってもらう中で、バリューブックスのプロジェクトを手伝わせてもらう機会がいくつかありました。そういった中で、だんだん他のスタッフの方とも知り合い、この会社で働きたいと思ったというのが入社の経緯です。
第591号(2024/09/10発行)9面