《ブランド市場バイヤーに学べ11》競りに役立つ3つのメリットとは?

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「ブランド市場バイヤー 齋藤清の俺に学べ!」

《ブランド市場バイヤーに学べ11》競りに役立つ3つのメリットとは?

2015年07月25日

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ブランド市場バイヤー 齋藤清の俺に学べ!

第11回 バイヤー同士交流を図ろう!

以前、市場における下見の重要性を取り上げた際に「下見で競り本番の勝敗が決するといっても過言ではない」とお伝えしました。競り本番で欲しいものを落札するためには、限られた下見期間をフルに活用して出品物を入念にチェックする必要があるからです。

そして、熟練のバイヤーが下見の作業と同じくらい大切にしているのが「他のバイヤーたちとの交流」です。ビジネスの場であるとともに、一種のコミュニティでもある市場。数日間におよぶ下見期間を、ひとり黙々と下見に没頭して終わらせてしまうのはもったいない!ぜひ他のバイヤーとの交流を深める場として活用しましょう。

競りに役立つ3つのメリットとは?

さらに、下見期間ならではの交流のメリット(なんて書くとちょっといやらしいですが) として、次のようなことが挙げられます。

①下見漏れリスクを減らせる

大会では、一度に何百~何千点と出品されます。これだけのボリュームがあると、意識をとがらせて隅々までチェックしたつもりでも、どうしても「下見漏れ」が起こるときがあります。時計を例に挙げれば、エト(文字盤のこと) の一部に割れや染みが生じていたり、純正品以外のパーツが使用されていたり...。これらを見落としたまま落札してしまい、後悔することは避けたいもの。下見中に気になったことや、コンディションが判別しづらい商品があったら他のバイヤーさんと話してみましょう!情報共有することで、お互いに下見漏れリスクを減らせる可能性があります。

②相場が予測しやすくなる

為替やトレンドの動向から導く相場予測とは違った、その市場に則した「生きた相場感」が見えてくると思います。「あの商品は競り上がりそうだ」はたまた「宝石に強い○○さんが来ていないから、あの商品は狙い目かもしれない」といった情報も、相場予測に活きますよね。

ただし「この商品の値段(相場) がいくらか」なんて安直に聞いたりするのは当然NG!仲が良ければ話は別ですが、そうでなければ「手の内を教えろ」と言うようなものです(何より、相手に「私は相場が分かりません」と言っているようにも捉えられかねません!)。

③他の市場の情報が聞ける

ある程度大きな市場であれば、全国からバイヤーが参加しています。いまでは1ヶ月にざっと30~40回は開催されるブランド品市場すべてに参加するのは不可能ですから、他のバイヤーの方々に「自分が参加していない市場」について聞いてみましょう。特に直前に開催された市場の内容は相場に響いてきますから、そうした情報をもとに相場の見通しが立てやすくなるかもしれません。

...とはいえ、いきなり他のバイヤーにあれこれ話しかけるのは勇気がいりますよね。多くの市場では、食事会やゴルフコンペといった参加者同士の交流会を企画していますから、そうした場に積極的に参加してみるのもひとつの手。堅苦しい話だけでなく、ザックバランな会話を通じてお互いに交流を深めることも、ベテランバイヤーへの第一歩ですよ!

アールケイエンタープライズ 齋藤清齋藤 清(さいとう きよし)
株式会社アールケイエンタープライズ
執行役員 兼 オークション事業本部 本部長

Profile
グローバルトレードと共催する「RKグローバルオークション」のオークショニアを務めるとともに、日本国内はもとより海外でも買い付けを行う敏腕バイヤー。ブランド品リユース業界歴は20年余り。ゴルフとお酒を愛する憎めない人柄で、業界関係者との人脈も深い。

372号(2015/07/25発行)25面

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