トレジャー・ファクトリー、300年続く会社へ

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「Lecture後編」

トレジャー・ファクトリー、300年続く会社へ

2017年03月23日

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経営理念を体現し事業を永続

日本リユース業協会(JRAA)が2017年1月に開催した新春オープン・セミナー。トレジャー・ファクトリー野坂英吾社長の基調講演「トレジャー・ファクトリーの軌跡と事業を伸ばす経営思考」の内容の後編を掲載する。(前編は2月25日号に掲載

トレジャー・ファクトリー 野坂英吾社長トレジャー・ファクトリー 野坂英吾社長

③目標設定の考え方

「数字の見方」「自己成長の考え方」に続き、経営思考の3つ目としてこだわっているのが「目標設定の考え方」です。中でも大小2つの目標を立てるようにしています。

1〜3年ぐらいで実現をできるものは小目標に設定します。もう1つは当面実現できない目標を必ず掲げます。

小目標は達成する前に次なる目標を設定しないと、結果に満足してしまい、すぐには次の目標を立てられなくなることにもつながるからです。

継続して取り組み、成果を出せるようになるのか。一時は成果を上げてもそこで一段落してしまうかには、大きな違いがあると思います。

そしてもうひとつこだわっているのは「ゴールから逆算をする」です。逆算せずに下から積み上げていくと、障害が発生した時に「やはり無理」ということになります。それを「これを実現したい」ところから始めると、どういう方法ならできるか落とし込んでいけます。そうすることでプランがまとまってくると考えます。

経営ポリシー

経営ポリシーの1つは「経営理念を徹底する」ということ。私が大学4年の11月に自分で登記したのがこの会社ですが、この時経営理念をきちんと作って起業しませんでした。今振り返っても、最大のやるべきことだったと感じています。

現在のトレジャー・ファクトリーの経営理念は、ちょうど3年目の時に作りました。それまでは社員が半年に1人のペースで入社をしていましたから、半年間私がマンツーマンで指導し、明文化された経営理念以上に会話で理念を伝えていました。

さらに3号店までは毎朝全員で朝礼をし、営業が終わったらまた1号店に帰ってきて終礼をして終わりました。毎日顔を合わせて大切なことは話をしていたのです。

それがいよいよ4店目、遠隔地に店舗ができ朝礼が全員でできなくなった時に一抹の不安を感じ、経営理念をつくりました。

事業を成長させるためには利益を上げないといけません。しかし、忘れてはいけないのは、会社はなんのために事業を行っているのかということです。あくまで経営理念の体現があり、その結果、成果として利益が出せるという図式でなければ、事業を永続することはできないと思っています。

もう1つ、経営のポリシーとして大事にしているのが「長期的な視点に立って目標を持つ」ことです。

掲げているのは「300年続く会社」です。なぜ300年かというと、徳川幕府を超えるというところから来ています。

事業を始めてから痛切に感じるのは、企業が成長していく上で、ぶつかる壁を解決するヒントが歴史にはたくさん含まれているということです。

企業の存在価値は「永続して発展・成長すること」。リユース事業も長年にわたって世の中から必要とされる事業だからこそ、企業として存在する価値があるのではないでしょうか。

トレジャー・ファクトリー 野坂英吾社長

1972年生まれ、44歳。「尊敬する父親を越えたい」という思いから、中学2年で社長になろうと考え、大学4年で起業準備を開始。トレジャー・ファクトリーを創業した。2007年12月に東証マザーズに上場し、2014年12月に東証一部に市場変更。趣味はマラソンで、これまでに約40回フルマラソンに出場。100キロマラソンも7回全て完走している。

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411号(2017/03/10発行)14面

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