《バイヤー道~私の買取接客術~》大吉 田中 遼氏「買取は接客ではなく〝商談〟」

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《バイヤー道~私の買取接客術~》大吉 田中 遼氏「買取は接客ではなく〝商談〟」

2018年05月18日

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バイヤー道
~私の買取接客術~

9面写真.JPG

「大吉」
スーパーバイザー 田中 遼氏

エンパワー(東京都新宿区)が運営する買取専門店「大吉」でスーパーバイザー(SV)を務める田中遼氏は、ロープレテストと呼ばれるSV昇格試験で史上最高得点を獲得(25点満点中20点)。また店舗配属後、入社3ヵ月以内では史上2人目となる社長賞も受賞した。買取成約率は9割超。その接客テクニックについて聞いた。

「買取は接客ではなく〝商談〟」 入社3ヵ月で社長賞受賞

田中氏が勤める店舗には、相談のみも含め1日5~8名程の来客がある。50~60代中心で男女比は半々。取り扱いの40%が貴金属、35%がブランドバッグ・財布や時計。その他金券や切手など商品は多岐に渡る。持ち込む商品が1~2点なら接客時間は1人10分前後。雑談、査定、クロージングを目安3分ずつに区切りトークを進める。

表情から期待値を読み取る

最初の雑談では、お客の表情と期待値をチェック。なぜ売りに出すのかを尋ね、売却意欲を測る。
冴えない表情で受け答えされたら、迷っているのかな?と予想しつつも、それ以上踏み込まず査定に移る。楽しそうに「次はアレを買いたいと思っている!」などと話が弾んだら、会話を膨らます。「躊躇いがあるのか、もしくは次の買い物に胸を踊らせているのかで、お客様の査定額の期待値に差が出ます」(田中氏)と話す。

Point ①1~2点なら1人10分前後。雑談、査定、クロージングはそれぞれ3分 ②雑談時、お客の表情と期待値をチェック

「売らない」の選択肢を確認する

査定時、傷や汚れなど商品の気になる箇所は、どうしてそうなったか?を直接尋ねる。「以前、ガラス面に大きな傷のついたアンティーク腕時計を査定しました。海でテトラポットか何かに擦ったようです。風貌を変えればまだ使えますよとお伝えし、結局買い取りませんでした」(田中氏)。クロージング前に必ず、その人に売らないという選択肢がないかどうかを確認する。

Point ③査定時、商品の傷や汚れの経緯を共有。売らないという選択肢がないのかどうか確認

金額提示にも数パターン 「私の中では〝商談〟」

クロージングでは査定額の伝え方を使い分ける。お客が椅子の背に寄りかかっていたり、スマホに気をとられていたりした場合は、手元の電卓で数字を示し自分との距離を近づける。また会話の止まらない人には、金額を書いた資料を卓上に置いて注意を引く。

「私の中では、買い取りは接客ではなく〝商談〟。関係は対等です。だからこそ、こちらの話に集中してもらえるよう相手によって提示の仕方を変えます」(田中氏)。またクロージング時は自分の表情も次のように意識する。「あえて、口元では笑いますが目では笑いません。真面目なビジネスの話ですよ!という雰囲気をつくります」(田中氏)。

お客が首を縦に振れば成約だが、そうでないお客には背中を押す。「例えば貴金属なら、世界情勢の話。ブランド物なら型落ちについて触れます。今の時期だからこそコレくらいというのを伝えます」(田中氏)。それでもダメなら、「これがお客様のために私がお出しできる限界です」と引いて、頭を下げることも。最後は必ず、表情全体を緩ませ笑顔でお客を送り出す。

Point ④査定額提示の際、必ずお客と自分との物理的な距離を近づける。電卓、資料、口頭説明と使い分け。口元では笑うが目では笑わない。クロージングでは、真面目な雰囲気を最高潮にもっていく

【ワンポイントアドバイス】
・「買い取る」とは言わない。求めている方に「お譲りする」と表現
・バッグの査定時、初心者が見落としがちなのは、糸のほつれ。角擦れに気をとられすぎて、それに気づかない場合がある
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第439号(2018/05/10発行)13面

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