Cross&Crown Security Intelligence、デジタル遺品に資産隠れる

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Cross&Crown Security Intelligence、デジタル遺品に資産隠れる

2018年11月29日

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5-B①.png▲ミチノリのトップページ

「データ消去だけでは不十分」
デジタル遺品に資産隠れる

「遺品整理では、デジタル化された資産も見つけ出す必要がある」と話すのは、ITセキュリティ事業を展開するクロスアンドクラウンセキュリティインテリジェンス(東京都港区)の増子貴仁代表社員だ。同社はセキュリティ専門家の知見を活かし、デジタル遺品整理「ミチノリ」を運営している。


パスワード設定などで閉ざされた故人のPCやスマホの内部データを取り出すサービスを提供する。同氏はPCやスマホなどのデジタル遺品の整理に関して、個人情報やプライバシーの流出を防ぐデータ削除や物理破壊では不十分だと指摘する。近年、仮想通貨の普及や金融資産のペーパーレス化が進んでいる。こうしたことから、遺族の認知していない資産がデジタル上に残っている可能性がある。



問題となるのは、例えば故人がFX取引などを利用していた場合。損失が生じていることに気づかないまま相続手続きを済ませてしまうなどのリスクが考えられる。データの中身を確認せずに消去してしまうと、遺族に損失が生じる恐れがあるということだ。データ消去・物理破壊の前に、相続資産に関連する恐れがある場合はデータの中身を確認する必要がある。しかし、パスワードなどで閉ざされたデータを取り出すにはそれを突破する専門的な技術が必要。


同社はネットセキュリティの専門技術を応用してデータを取 り出すことが出来るという。現在は、急死してしまった経営者の遺族を中心に月15件ほどを受注している。今後はより需要が拡大すると見込み、デジタル遺品の受付を行う営業代理店の募集を強化していく。数年以内に各都道府県に1拠点を作りたい考えだ。

aa.jpg▲増子貴仁代表

第452号(2018/11/25発行)5面

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