《直撃!UDF vol.3》ブート品国内初の摘発 表示しても違法

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《直撃!UDF vol.3》ブート品国内初の摘発 表示しても違法

2018年12月08日

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前回ではUDF(ユニオン・デファブリカン)の事務理事、事務局長兼ADRセンター長の堤隆幸氏にアフターダイヤについて聞いた。アフターダイヤについては法的根拠から違法性を指摘するブランド側と 、古物市場の認識のずれがわかった。第三回は最近、国内初摘発が話題となったブート品についてだ。

14右写真.JPG▲事務理事 事務局長兼 ADRセンター長 堤隆幸氏

ブート品国内初の摘発 表示しても違法

ブート品とはブランドロゴを無断使用した商品の通称。警視庁が今年7月に販売目的の所持で二人を逮捕した。そのうち一人が、鑑定を行う人気テレビ番組に出演していたこともあり話題となった。実はこの件、ブランド側としては普通に対処しただけで、「ブート品」という特別なものとして対応したといった意識はないという。そもそもブート品は商標法違反なのか。


「出所表示機能を侵害する、即ち、製造・販売をした者について誤認混同を生じさせる単純な偽造品」と堤氏は指摘する。ブート品であることを表示したら問題ないという主張は、偽造品を「偽造品」と表示したら販売してかまわないという理屈になり、そのようなことを許せば商標法の存在そのものが無意味になるという。ブート品との表示には意味がない。


一方で、ブート品は文化的なものとの反論もある。これについて堤氏は「この場合においては、法律論的には考慮されない」とする。以前、大阪府警察がアメリカ村のパロディ品を一斉摘発したとの報道があった。これについても「パロディ品と称し販売されていた偽造品が摘発されただけ」とする。


ブランドロゴの形状を少し長くしただけなど、パロディとは全く解釈できない物品の摘発がされている。そのため明確に商標権を侵害すると判断されない物品については、摘発対象となっていない。堤氏は「文化的なものを全否定するつもりはない」としつつも、「当然のことだが、文化であると言えば、法律に抵触する行為が許されることにはならない」と語った。

第452号(2018/11/25発行)15面

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