《明日のリユースを創る!》催事買取、下取りサービスで新規顧客を獲得

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《明日のリユースを創る!》催事買取、下取りサービスで新規顧客を獲得

2019年03月23日

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明日のリユースを創る!
 実践マーケティング講座

~第6回 「新品と中古の融合」~


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今回は5つの方向性のなかでも「新品と中古の融合」についてお伝えしたいと思います。このテーマには2つの側面があります。ひとつは、新品と中古の垣根の消滅です。AmazonやZOZOTOWN、リユース業界でいうとマップカメラを運営するシュッピンのように、新品と中古の両方を取り扱う企業が業績を伸ばしています。例えば、ZOZOTOWNでは新品購入ユーザーからの中古買取による買い替え割(下取り)が非常に好評で、ZOZOUSEDは売上を160億円まで伸ばしました。


昨年は新品業態企業による中古業態企業のM&Aが多く起こりました。今後もこの流れは加速するでしょう。また、昨今の買取量の減少により 、買取商品だけでは顧客のニーズを満たせない店舗も出ています。その場合は中古品に拘りすぎず、新品の仕入れ品も織り交ぜながら、顧客が求める商品ラインナップに近づけていきましょう。ただし新品を販売する際は、中古品よりも粗利率が低いため、今まで以上に回転率や消化率を意識して在庫管理を行う必要があります。


もう1つの側面は、新品業態とのアライアンスの重要性です。リユーススショップの利用率は 、環境省の調査によると、5人に1人程度にとどまっていることから、「新規客の獲得」はまだまだ重要課題です。昨年末に古物法の改正があり、条件付きで催事買取が許可されました。早速、各地で様々な商材で催事買取を積極的に行っている企業がおられます。


自社の顧客層が利用している店舗やサービスをよく分析し、そこでの催事買取や下取りサービスを展開することで新規顧客の獲得が可能になります 。テレホンカード・切手・お酒など、どこの家にもあるような商材で催事買取を行うか、ホームセンターで工具の買取を行うなど顧客属性と商材がマッチした催事買取が成功している傾向が見られます。是非、顧客を分析し、催事買取の計画を立ててチャレンジしてみて下さい。


ただし、いくら新規顧客にアプローチをしたところで、リピートしてもらえる仕組みを作らなければ、その分販促をし続けなければなりません。ある会社で調査をしたところ、1人の新規買取顧客を獲得するのに1万2 000円程度かかっていました。つまり、粗利50%で平均買取金額が8000円だとすると、1回のみの買取で終わってしまえば赤字です。自社の接客のクオリティを見直すと共に、どうすれば顧客(会員)になってくれるのかを考えていく必要があります。

「WEB・EC・システム化」と「顧客化・会員化」の回のコラムでもお伝えしていますが、キチンとした顧客管理の仕組みを導入し、数字をもとに様々な分析を行う必要があります。新たな顧客開拓と自社の顧客満足度の向上によるリピート率アップを同時に考えてみてください。

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佐藤 秀平
元船井総合研究所経営コンサルタント。コンサルタントと経営者という2つの立場で、小売・EC業界に8年以上携わり、リユース事業・輸出輸入事業・OEM販売事業などを行い、ゼロから年商4億円の事業に成長させた経験を持つ。マーケティング全般とEC販売戦略を得意とし、自身もリユース業向けのシステム開発を手がける、株式会社NOVASTOの代表取締役を務め、業界の最先端のノウハウを追い求めている。現在コンサルティングのクライアントは、総合リユースショップ・買取専門店・中古工具専門店・ネット型リユースなど多岐にわたる。

第459号(2019/03/10発行)15面

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