ドンドンアップ、今日も今日とて地獄 その後天国へ Part2

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「倒産1000本ノック」

ドンドンアップ、今日も今日とて地獄 その後天国へ Part2

2020年12月03日

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第6回 ドンドンアップ 代表取締まられ役 僕の話

今日も今日とて地獄 その後天国へ Part2

毎日ピンチ、でも倒産はしたことない!?古着で一世を風靡するドンドンアップ(岩手県盛岡市)岡本昭史社長による凄絶ノンフィクション体験記の第6回。

倒産1000本ノック

バイク旅で膨らむ夢

(前回までのあらすじ:子供時代は取り柄もなく平凡。人と違ったのは引越しの多さで、きわめつけは父親の倒産による夜逃げ。でもそんな経験が環境への適応力をつけてくれた。高校生の時には、世界を股にかける2冊の本に強烈な影響を受けて...)

そんな時、僕は「バイク」にはまった。バイトに明け暮れ、高校生だったけどコンビニの深夜アルバイトをしこたまやり、カワサキGPZ400FⅡというバイクを買った。冬と春休みは、親父の仕事の関係もあって建築現場で土方をやりまくってお金を稼ぎ、夏休みはバイクで50日ぐらい野宿しながらのツーリングに出て日本中を回った。2学期に入っても、盲腸で入院したと言って学校に帰ってこなかった。こんな事を高校2年でも3年でも繰り返し、結果的に僕の「旅狂い」の始まりになった。この旅の途中に、とにかくアメリカに行きたいと強く思うようになった。このころ僕が思っていたことは、「俺には才能がない、運動も勉強も大したことないし、頭の回転も悪いから、特別面白いトークも出来ないし、でも女の子にはもてたいし、自分の存在価値も示したい」。

そんな僕ができることは? 「人がやらないことをやること」と考えた。ガキで、独りよがりで、バカな僕は、周りの連中に「スゲー人になりたかったら戦場に飛び込んだり、コロンビアの麻薬組織に潜入して写真撮ればいい」「要するにそれは、やるか、やらないかだよ」、なんてのたまっていた。ツーリングの「旅」の話を面白おかしくみんなに話すとスゲーうらやましがられたし、一時でも人気者になれた。

当時は今みたいに、高校生の時から彼女がみんないる感じじゃなかったし、尾崎豊が猛烈に流行っているような時代だった。ネットもスマホもないしみんな悶々としていたから、僕が当時していたことを、すごくうらやましがってた。これが僕を調子に乗せた。才能がなくてもやれば出来ることで、人がやらないことをやればウケルってこと。

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第500号(2020/11/25発行)18面

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