古物商・リユース業に役立つ資格・許可26選
2024年12月04日
競争環境が年々激しくなるリユース業界。ユーザー向けに信頼感や提案力を備えるために資格を取得しておくのも1つの手だ。リユース業や古物商を営む上で、必要な許可や免許から認定の資格まで26選を紹介する。
リユース経済新聞について
リユース経済新聞社は、2000年2月に創刊した、リユース業界専門の新聞を発行している新聞社です。中古品の動向・リユース企業を取材しており、マーケットや企業の動向に関する情報を発信しています。
売り方で必要な免許異なるお酒
古物、いわゆる中古品の買取りや販売を行う上で、必須の許可や免許から役に立つ資格を次ページにまとめた。企業や自身のスキルアップ等に役立つものを探してみてほしい。
リユース業を営んでいる方であれば既に取得済みなのが、「古物商許可」。近年ではフリマアプリの台頭に伴い、個人の古物商取得者が増加していると言う。リユース業において差別化を図るために取得する企業もいるのが「質屋営業」だ。従来型の質店が住宅街など目立たない立地であるのに対し、新興系の質店は駅前やロードサイドなど利便性を重視した店舗を展開している。
近年増えているネットオークションで必要な届出が、「古物競りあっせん業」。コロナ禍で開催方式が大きく変わってきていることから、古物市場主と並んで、近年増加傾向にあるようだ。
取扱いに注意したいのが「お酒」だ。買い取る際には免許や許可は不要だが、販売時にさまざまな免許が必要で、販売方法によってそれぞれ取得する必要がある点には気を付けたい。
まず、小売りするのに必要なのが、「一般酒類小売業」の免許だ。小売りの中でも店頭販売時に必要で、ネット販売などの通信販売を行う際には「通信販売酒類小売業」が別途必要となる。業者に買い取ってもらう際には卸業となるため、「洋酒卸売業」の免許が必要だ。
そして、取次や仲介をする際にも免許が必要で、それが「酒類販売代理業・媒介業」だ。このようにお酒を取り扱う際には用途によってさまざまな免許が必要となるため気を付ける必要がある。
リユース営業士8000名以上に
次に協会団体等が行う民間資格について紹介する。一般社団法人日本リユース業協会が認定する「リユース営業士」は、リユース営業に必要な知識の理解度が問われるもので、「リユース検定試験」の合格者に授与される資格だ。延べ8000名を超える資格取得者がいると言う。
査定に関する資格も複数ある。一般社団法人日本流通自主管理協会が認定する「協会基準判定士」は、同協会会員向けに実施している資格。ブランド品等の基準内外の判定の研修を受けた後、試験に合格すると授与される。
その他、査定に関しては、「古物査定士」(運営:一般社団法人古物査定士認定協会)や「アプレイザー検定」(運営:一般社団法人全日本古物鑑定士協会)、「リユースバイヤー検定」(運営:アプレ)などがある。
リユース企業で取得が増えているのが、遺品整理や生前整理に関連する資格だ。一般社団法人遺品整理士認定協会の「遺品整理士」や一般社団法人日本遺品整理協会の「遺品整理アドバイザー」、一般社団法人日本リユース・リサイクル回収事業者組合の「遺品3Rディレクター」などがあり、生前整理では、一般社団法人生前整理普及協会の「生前整理アドバイザー」がある。
他にも情報機器のリユースにおいて、適切な対応を行う事業者を認定する資格や、宝石についての知識やスキルを認定する資格などがある。さまざまなリユース事業者がいる中で、差別化を図るのが難しくなっている。自身の知識や見識を深めると共に、ユーザーからの信頼度を高める手段として、資格の取得に取り組んでみるのも手だ。
- 古物商
- 申込先・認定機関
- 警察署(公安委員会)
- カテゴリー
- 古物
- 受講料・受験料
- 手数料:19,000円
- 取得までの目安期間
- 原則、申請から40日以内
- 備考
- 業として中古品を扱う際には一部を除いて必須の許可
- 古物競りあっせん業
- 申込先・認定機関
- 警察署(公安委員会)
- カテゴリー
- 古物
- 受講料・受験料
- 届出のため不要
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- ネット上で競りを行う際に必須の届け出。許可とは異なるため、営業開始から2週間以内に届け出ればよい
- 古物市場主
- 申込先・認定機関
- 警察署(公安委員会)
- カテゴリー
- 古物
- 受講料・受験料
- 手数料:19,000円
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- 古物市場を開催する際には必須の許可
- 質屋営業
- 申込先・認定機関
- 警察署(公安委員会)
- カテゴリー
- 質
- 受講料・受験料
- 手数料:22,000円
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- 質屋営業を行う際には必須の許可。許可を得るには質物の保管設備が必要
- 産業廃棄物収集運搬許可
- 申込先・認定機関
- 都道府県知事
- カテゴリー
- 廃棄物
- 受講料・受験料
- 許可申請費用(手数料):81,000円
更新費用:73,000円 - 取得までの講座回数
- 講習 2回
- 備考
- 申請許可証は行政書士に依頼する人が多い
5年後に再申請が必要
- 一般酒類小売業
- 申込先・認定機関
- 税務署
- カテゴリー
- お酒
- 受講料・受験料
- 登録免許税:1件30,000円
- 取得までの目安期間
- 申請から2ヵ月程度
- 備考
- 販売場でお酒を小売りする際に必須の免許。ネット等の通販の場合は、別途、「通信販売酒類小売業」の免許が必要
- 通信販売酒類小売業
- 申込先・認定機関
- 税務署
- カテゴリー
- お酒
- 受講料・受験料
- 登録免許税:1件 30,000円
- 取得までの目安期間
- 申請から2ヵ月程度
- 備考
- お酒をネットやカタログ等の通信販売を行う際に必要な免許
- 洋酒卸売業
- 申込先・認定機関
- 税務署
- カテゴリー
- お酒
- 受講料・受験料
- 登録免許税:1件 90,000円
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- 国産酒・輸入酒に関わらず、洋酒を卸売りする際に必要な免許
- 酒類販売代理業・媒介業
- 申込先・認定機関
- 税務署
- カテゴリー
- お酒
- 受講料・受験料
- 登録免許税が1件ごとに必要
- 取得までの目安期間
- 原則、申請から4ヵ月以内
- 備考
- 酒類の売買を取引を継続的に媒介する際に必須の免許。営利目的かは問わない。オークションなどを開催する際には必要
- リユース営業士
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人日本リユース業協会(JRAA)
- カテゴリー
- 古物
- 受講料・受験料
- 6,050円(税込み)
- 試験実施日
- 2月、5月、8月、11月の各1ヶ月の間の特定日に全国の試験会場で実施
- 備考
- リユース営業に必要な知識をまとめた「リユースハンドブック」の理解度を問う「リユース検定試験」に合格した際に取得できる
- 協会基準判定士
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人日本流通自主管理協会(AACD)
- カテゴリー
- 査定
- 受講料・受験料
- 会員1名は無料。2名以降は1名22,000円(税込み)
- 試験実施日
- 年1回 秋頃
- 備考
- 協会会員限定の資格。研修及び試験合格者を認定
- 古物査定士
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人古物査定士認定協会
- カテゴリー
- 査定
- 受講料・受験料
- 協会会員(会費5,500円/2年間有効)
資格取得試験に合格(受講費49,500円/2年間有効) - 取得までの目安期間
- -
- 備考
- 「古物の買取り時に必要なマナーを含む健全な査定」に対しての認定資格制度
- アプレイザー検定
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人全日本古物鑑定士協会
- カテゴリー
- 査定
- 受講料・受験料
- 250,000円(講座受講料・試験料など含む)
- 試験実施日
- 各月特定日に実施
- 備考
- 時計、カメラ、ダイヤモンド、宝石・貴金属、ブランド品について講座受講後、試験合格者を認定
- 家財評価アドバイザー資格
- 申込先・認定機関
- APRE
- カテゴリー
- 査定
- 受講料・受験料
- 受講料:50,000円(税込み)
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- 1日で、遺品・生前整理、買取時の提案レベルが格段に上がる
- リユースバイヤー検定
- 申込先・認定機関
- APRE
- カテゴリー
- 査定
- 受講料・受験料
- 受講料:13,200円(税込み)
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- リユース業界でブランドに携わる方に特化した検定
- 遺品整理士
- 申込先・認定機関
- 一般社団法 遺品整理士認定協会
- カテゴリー
- 遺品整理
- 受講料・受験料
- 入会金:25,000円
会費:10,000円(有効期限2年間) - 取得までの目安期間
- 通信講座で約2ヵ月
- 備考
- 遺品整理の取り扱い手順や遺品整理に関わる法規制等の知識を、正しく身に付ける
- 遺品整理アドバイザー
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人日本遺品整理協会
- カテゴリー
- 遺品整理
- 受講料・受験料
- 受講料:22,000円(教材、認定料、税込み)
- 取得までの講座回数
- オンライン講座 1回
- 備考
- 生前整理・遺品整理するうえ、依頼者の気持ちに寄り添い、依頼人の要望を踏まえて、幅広い知識を持ち、最善の方向を依頼者と一緒に思いやる人を育成
- 遺品3Rディレクター
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人日本リユース・リサイクル回収事業者組合(JRRC)
- カテゴリー
- 遺品整理
- 受講料・受験料
- 30,000円(税込み)
- 取得までの講座回数
- 対面講座 2回
- 備考
- 生前整理・遺品整理事業を行う上で関係する法令順守や高い倫理性も備えた生前整理・遺品整理業のプロフェッショナルを認定
- 生前整理アドバイザー2級
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人生前整理普及協会
- カテゴリー
- 生前整理
- 受講料・受験料
- 受講料:21,450円(税込み)
- 取得までの講座回数
- 対面講座 1回
- 備考
- 協会オリジナルのテキスト「生前整理実践帳」と「生前整理手引き集」を使い、生前整理に関しての考え方や実践の仕方を学ぶ
- リユースモバイル事業者認証制度
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人リユースモバイル・ジャパン(RMJ)
- カテゴリー
- 情報機器
- 審査料・登録料
- 審査料 200,000 円、登録料 300,000 円
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- リユースモバイル関連事業者が安全安心な端末の取扱を行っていることを認定する
- 情報機器リユース(再利用)取扱事業者資格
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人日本ITAD協会
- カテゴリー
- 情報機器
- 受講料・受験料
- -
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- 良質なリユース品(情報機器)の認知度向上及び流通促進の為に、情報機器のリユース品の取扱いに適切な対応をしている事業者を認定
- 輸出用リユース(再利用)情報機器取扱事業者
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人日本ITAD協会
- カテゴリー
- 情報機器
- 受講料・受験料
- -
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- 国が定めた「使用済み電気・電子機器の輸出時における中古判断基準」に対応し、リユースのパソコンやプリンタ機器を輸出する際、協会が定めた対応すべき事項を整理した「製品化基準」を遵守する輸出取扱事業者を認定
- ジュエリー・リモデル・カウンセラー
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人 日本リ・ジュエリー協議会
- カテゴリー
- 宝石
- 受講料・受験料
- 2級 7,000円/1級 8,000円 ※テキスト代別
(登録料 2級 30,000円(税別)/1級 20,000円(税別)) - 試験実施頻度
- 2級:年3回(春・夏・秋)、1級:年2回(春・秋)
- 備考
- ジュエリーの素材、デザイン、加工に関する基本的な知識と経験を有し、顧客の要望を的確に受け止め、それに合致した品物にまとめ上げ、提供できる高い能力を持った人材を認定
- ジュエリーコーディネーター
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人日本ジュエリー協会(JJA)
- カテゴリー
- 宝石
- 受講料・受験料
- 登録料:19,000円(登録事務費4,000円+登録管理費5,000円×3年、非課税)。
- 試験実施日(次回)
- 2025年3月13日(木) 第29回 3級
- 備考
- 試験に合格した場合、申請により日本ジュエリー協会認定ジュエリーコーディネーター資格者として登録されます。 有効期間は3年間
- GG(グラジュエイトジェモロジスト)
- 申込先・認定機関
- GIA
- カテゴリー
- 宝石
- 受講料・受験料
- -
- 取得までの目安期間
- -
- 備考
- ダイヤモンドおよびカラーストーンの総合的な知識を深めることができる。宝石を評価するための技術的な専門知識と実践的なスキルが習得できる
- リユースオーガナイザー
- 申込先・認定機関
- 一般社団法人ライフオーガナイザー協会(JALO)
- カテゴリー
- その他
- 受講料・受験料
- 受講料 2級:5,500円(税込み)、1級:33,000円(税込み)
- 取得までの講座回数
- 2級:1回、1級:2回
- 備考
- リユースの基礎知識と基本的なリユース方法を学び、捨てない片づけを実践するための講座
第537号(2022/6/10発行)10,11面