リユース企業のための「インボイス制度」解説!「古物商特例」の適用、買取申込書・帳簿記載に留意(2024年版)

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リユース企業のための「インボイス制度」解説!「古物商特例」の適用、買取申込書・帳簿記載に留意(2024年版)

2024年02月19日

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リユース企業のための「インボイス制度」解説!「古物商特例」の適用、買取申込書・帳簿記載に留意

適格請求書等保存方式(インボイス制度)が始まった。古物商の課税事業者には、適格請求書(インボイス)がなくても仕入税額控除を行える特例がある。要点をおさえたい。

リサイクル通信 インボイス制度の古物商特例

リサイクル通信について

リサイクル通信は2000年2月に創刊したリユース・リサイクル業界専門の新聞を発行している新聞社です。

中古品の動向、リユース・リサイクル企業を取材しており、マーケットや企業の動向に関する情報を発信しています。主に古物商や古物市場、質屋、リース、レンタル、リペア事業者、新品小売流通企業の方々にご愛読頂いています。

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インボイスなしで仕入税額控除「古物商特例」とは?

インボイス制度では、仕入れ先から指定の記載を満たした書類(適格請求書=インボイス)を発行してもらえることで、事業者は納める消費税額を控除することができる。

例えば事業者がある商品を税込み330円(商品価格:300円、消費税:30円)で仕入れ、それを550円(商品価格:500円、消費税:50円)で売ったとする。事業者が納めなければならない消費税額は、差額の20円(50円-30円)となる。これが、仕入税額控除だ。

ただ、インボイスを発行し得ない一般個人から買取り(仕入れ)を行う機会の多い古物商には、インボイスなしでも仕入税額控除を行える「古物商特例」がある。古物商特例を適用するには、条件や帳簿の記載の仕方にルールがあり、しっかりとおさえたい。

古物商特例を満たすために

古物商特例を適用するには次の4つのことをすべて満たす必要がある。(1)古物商であること(2)適格請求書発行事業者でない者から仕入れた古物であること(3)仕入れた古物が、当該古物商にとって棚卸資産(消耗品を除く)であること(4)一定の事項が記載された帳簿を保存すること―。

(2)については、買取顧客がインボイスを発行できないことを明らかにするため、買取顧客と交わす買取申込書に適格請求書発行事業者でないことを宣誓させるチェック欄を設け、買取顧客にチェックを入れてもらうのがよい。インターネットから買取りを受け付ける場合も同じく、サイト上で宣誓をさせよう。

(4)については、次の5つの事項を漏れなく帳簿に記載する必要がある。(1)買取顧客の氏名・住所(2)取引年月日(3)取引内容(4)買取金額(5)古物商特例の対象となる旨―(古物台帳は(1)~(4)の事項が記載されるものであるため、古物台帳と(5)が記載された帳簿を合わせて保存することでも古物商特例の適用が可能)

尚、古物商特例は古物商同士による古物取引においても適用できる。売り手側の古物商がインボイスを発行できない事業者(免税事業者)でも、買い手側の古物商が適切に帳簿記載・保存をしておけば、仕入税額控除が認められる。この場合、帳簿記載に必要な5事項のうち、(1)について事業者名・事業者の所在地を記載すればよい。

その他、インボイス制度に関する記事はこちら

第567号(2023/09/10発行)18面

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