買取・査定時に役立つ相場検索ツールとは?オススメ6サービスを紹介!

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買取・査定時に役立つ相場検索ツールとは?オススメ6サービスを紹介!

2024年02月19日

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買取・査定時に役立つ相場検索ツールとは?オススメ6サービスを紹介!

買取店・リユース企業において欠かせない「査定業務」。査定品質でその店舗の買取点数や売上、利益が大きく変わり、重要な要素の一つです。この記事では、買取・査定時に役立つ相場検索ツールを紹介いたします。

 

 目次

 1:中古品における相場とは?

 2:相場と買取価格の違い

 3:相場を調べる必要性と注意点

 4:相場検索サイトやツールを総ざらい

 5:値段を決めるのはあなた次第

 6:初心者におススメの使い方

 7:相場検索のまとめ

リサイクル通信について

リサイクル通信は2000年2月に創刊したリユース・リサイクル業界専門の新聞を発行している新聞社です。中古品の動向、リユース・リサイクル企業を多数取材しており、マーケットや企業の動向に関する情報を発信しています。主に古物商や古物市場、質屋、リース、レンタル、リペア事業者、新品小売流通企業の方々にご愛読頂いています。

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1:中古品における相場とは?

中古品相場とは、中古商品が取引される、その時々の値段を指します。

中古品相場は需給バランスによって決定されます。金、ブランド、時計などの宝飾品から、ホビー、家具、家電に至るまで殆ど例外はありません。例えば流行しているファッションアイテムやアニメのグッズは市場価値や再販価値が高まり、取引相場も上がります。一方でブームが終焉すると、その商品を欲しがる人は減っていき、在庫リスクとなるため相場は落ちていきます。

また金や腕時計などの資産性を持つ商品の相場は、為替や株の値動きに影響を受けることも多くあります。

2020年のコロナ禍では金やロレックスなどの高級時計が、2023年には金相場が、大きく右肩上がりの様相を呈しました。2023年10月以降、金相場はグラム1万円を超え、非常に高い相場で推移しています。

これは経済の停滞が懸念され、株や債券相場下落を避けて現物へと投資対象がシフトしたことがひとつの要因です。

22年前半に米国でインフレが進んだ際は時計相場が下落基調となるなど、一定の連動性が見られます。

ちなみに、2008年ごろのいわゆる「リーマン・ショック」でも金・プラチナの相場が高騰し、リユース業界で「金プラブーム」と呼ばれる買取ブームが起こりました。

2020年以降の特徴としては、金のみならず、時計やスニーカー、アンティークコイン、トレーディングカード、レトロゲームなど、より幅広い実物資産が投資対象となっていることが挙げられます。

2:相場と買取価格の違い

中古品における相場は、販売相場・取引相場を指すことがほとんどです。例えば「ヤフーオークション、メルカリでの成約価格」「古物市場での落札価格」などが相場として認識されます。

一方で買取価格は、事業者にとっての仕入れ値になります。買取価格≒(相場ー事業者の営業利益)といえます。

3:相場を調べる必要性と注意点

相場の重要性は非常に高く、相場が分からなければ買取・販売価格をつけるのも難しくなります。買取相場よりもあまりに高く買い取ってしまうと利益が出ず、販売相場よりも高いと商品は売れません。

いかに相場を正しく認識し、適切な買取価格をつけられるかが、リユース事業者の腕の見せ所です。

また、落札相場のみを調べないほうが相場観は安定します。落札結果のみだと「中値」と呼ばれる落札までの価格を認識できません。他社よりも大幅に高い金額で落札したなど、実態とかけ離れた「外れ値」に気付けるよう、実際の古物市場などで二番手の価格を確認することが重要です。

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4:相場検索サイトやツールを総ざらい

相場検索ツールを提供している企業を紹介します。古物初心者にとって、適切な価格での買取や販売を行うためにほぼ必須のツールと言えます。自身の商材や商圏と照らし合わせ、使いやすいツールを探しましょう。経験を重ねることで徐々に相場観が研ぎ澄まされています。

オークファン(運営:オークファン)

ネットショッピング・オークションの相場、統計価格比較サービスとしてまず名前が挙げられるのがオークファンです。

公式発表では保有データ件数が700億件以上としており、過去10年までさかのぼりECモールの落札相場を検索できます。対象とするECはヤフオク!、モバオク、eBay、セカイモン、Amazon。横断的に検索できます。

無料登録では、過去6ヶ月までさかのぼり相場検索が出来ます。月額998円(税込)の「オークファンプレミアム」では、過去10年案台のデータ検索に加え、ヤフオク!の出品ツールが使えます。出品ツールでは出品テンプレートや利益計算、「注目オークション」への一括登録機能などが使えます。

月額11000円(税込)の「オークファンプロPlus」では、「おまとめ検索」と呼ばれる過去の商品情報の一括検索機能が無制限に使えるようになり、商品ページ単位での利益計算ができます。また他店の売上や商品の取扱状況を分析する機能もあるため、同業他社のベンチマークも可能です。

相場検索ツールの他にも、古物市場や初心者向けセミナー、滞留品のモールなども運営しています。

リユースシステム(運営:リユース)

リユースシステムでは相場、遠隔サポート、買上げ保証をセットとしたサービスを運営しています。サポート体制を強みとしており、買上相場での買取も保証。事業者にとって販路の確保につながります。

相場検索ツールは携帯、宝石、お酒、アパレル、ピアノ等の楽器が対象です。アパレルには時計やバッグ等のブランド品、スニーカーも含みます。相場検索の機能では、型番やブランド名を入力することで査定の目安価格が表示されます。また月1000件ペースでリユース企業の販売価格データを更新しており、買取価格の参考に活かせます。

一部の商材ではシステムに表示される買上相場で本部が買取を保証します。アパレル等の一部商材では不正流通品の画像を発信する機能もあり、真贋サポートも受けられます。導入企業数は1600店舗以上と発表しています。

相場検索ドットコム(運営:アールケイエンタープライズ)

相場検索ドットコムは時計、バッグ、貴金属を中心とした相場検索ツールです。PCとモバイルの両方に対応しており、運営元のアールケイエンタープライズが主催する古物市場「RKオークション」に出品された商品の詳細と落札価格を閲覧できます。ロレックスやダイヤのルースなどの落札相場は一覧表にまとめられ、PDFで確認できます。

RKオークションは大会形式での出来高が22億円近くになることもあり、その際はバッグや時計など400箱程度が競られます。最新の業者間相場を確認できるのは大きなメリットと言えるでしょう。利用料は月3300円(税込)。RKオークションに入会している事業者が対象です。

練馬五十会(運営:練馬五十会)

練馬五十会(ねりま-ごとうかい)は60年ほど続く老舗のオークションです。宝石・時計を主軸とした古物市場を年10回ほど開催しています。

同社の相場検索ツールでは、およそ2ヶ月おきに数千点の商品が追加される落札データのすべてを検索できます。大会終了後、1週間程度で落札データがアップされ、過去の取引も数年分さかのぼって検索することが出来ます。

ロレックスの場合は商品の型番を入力することで時系列での検索に対応しており、ダイヤルースの場合は4C(カット・カラー・クラリティー・カラット)の条件を入力することで、該当する取引の条件を絞り込めます。その他の色石や時計、合計4000点の相場検索に対応しており、業者間取引における最新相場や過去の相場変動がわかる設計になっています。相場表はPDFでダウンロード出来ます。

利用に際し、五十会大会に参加している企業は年間24000円、それ以外の企業は年間48000円と、登録料1万円(すべて税別)が発生します。

プライスバンク(運営:プライスバンク)

プライスバンクは2020年創業のITベンチャーでAI技術を強みにしています。同社の相場検索ツールでは各社ECやメルカリ・ヤフオク!の情報をもとに商品単位での相場表を生成します。画像診断をAIで実施することで、型番やテキストデータの少ない商品の検索にも対応しています。

メルカリ等のフリマアプリ相場にも商品ランクごとに対応しているため、型番やテキストデータの少ないアパレル商材に強い相場検索ツールと言えます。過去の相場推移をもとにした将来価格の予測機能もあり、売却価格の参考情報としての活用が期待されます。

toC向けにも「Brandnista」(ブランドニスタ)の名称でスマホアプリによるサービス提供を行っており、両サービスとも当面の間は利用無料とする見通しです。

Smapra(運営:リスマ)

スマプラはスマートフォン・PC等を中心とした相場検索ツールです。

EC・マーケットプレイス・フリマアプリ等における相場データを自動で取得し、モデルごとの型番、ランク、状態など、細やかな条件での相場検索機能を提供しています。

利用料金は月額2000円から。料金はデータ総数やカテゴリー対応数などにより変動します。

各業者が設定した粗利率を計算した上で、毎日変動する相場に合わせた価格買取表を作成する機能も搭載しています。

5:値段を決めるのはあなた次第

中長期的な視点で考える場合、自分自身の相場観を持つことも重要になってきます。

例えば普段は相場1万円の商品が、Aの古物市場では2万円で、Bの古物市場では5000円でそれぞれ成約することも稀にあります。

そのためツールのみで最新相場を見るだけでなく、いくつかの古物市場で2番手・3番手の価格を把握したり、他店舗で同じ商品がいくらで売られているかを把握したりするのも大切です。これにより自分自身の相場観が身につき、買取の失敗を防ぐことに繋がるのはもちろん、自信ある接客や査定結果の提示は、利用者の安心感や信用に繋がります。

更に、競合他社とのサービス競争という観点からも、自身の相場観を持つ重要性が高くなります。リユース事業者にとっては安く買い、高く売るほど利益が大きくなる仕組みです。一方で利用者の多くは高く買い、安く売る店を選びます。この二律背反の落とし所によって成約率は大きく変化します。

これは自社だけでなく、競合他社も同様であり、複数の企業が同じ相場表を見て、同じ買取額を提示している場合があります。

その際、考えられる手段はいくつかあります。まず、相場通りの買取を提案すること。また相場検索ツールで算出した価格よりも高く買い取り、競合を出し抜くこと。あるいはサービス面を強化することで、相手に買取額以外の部分で納得してもらうという方法も考えられます。

相場検索ツールの金額に縛られず、独自の提案力を磨くことで激戦区においても支持を集める店舗が数多くあります。買取価格を決めるのはあなた次第なのです。

6:初心者におススメの使い方

これからネットや古物市場などで中古品売買を始める方には、手広く商品を広げず、先行する同業他社があまり手をつけていない商材からあたっていくのがオススメです。リユース業界は徐々に専門化が進んでおり、特定ブランドのみを扱う企業も出現しています。

例えばブランド時計であれば高級時計全般ではなく、例えば国産高級時計に特化したり、ゲーム商材ではPS2などの旧型機に特化するなどして、得意分野を見つけた上で徐々に周辺に手を広げていく形が定石です。

またブランド品においては、競合の多いトップブランドではなく、相場の比較的安定したミドルブランドのほうが入りやすいと言われます。ヴィトンやロレックスには玄人が集まるため、マルニやグッチなど、トップブランドに比べ目立たないところから徐々に視野を広げていく形がおすすめです。

商材が絞れたら、相場検索ツールを活用し、販売価格に見当をつけた上で、利益の見込める商材を仕入れましょう。古物市場はこれまでリアル会場が主流で、初心者は入札段階から難しいと言われておりましたが、コロナを機にオンライン化が進み、初心者もPC・スマホを使っての入札が行いやすくなりました。

相場検索ツールの中には市場やヤフオク!への出品機能、市場の下見機能が付帯するサービスもあります。これらの機能も同時に活用することで相場観を磨いたり、商品販売の回転を早めたり出来ます。相場検索ツールは利用料金が発生するサービスが多いため、元をとるつもりで積極的に活用してみましょう。

7:相場検索ツールのまとめ

買取や査定に役立つ相場検索ツールは、上場企業が提供する大規模なものから、中小・ベンチャーの独自サービスまで数多く、今後も新サービスの登場や、既存サービスのリニューアルが続くと考えられます。相場検索ツールの提供企業に相談したり、可能であれば相場検索ツールを活用している同業他社と情報交換をすることで、情報力を強みにより早いビジネス拡大を狙えます。

最終的に利益の拡大に至るか否かは、スタッフの会話や身だしなみなどの接客態度、店舗の立地、会社の規模やプロモーションなど多くの要素が左右します。事業の継続性を高めるため、凡事徹底し選ばれる店作りを続けていきましょう。

リサイクル通信でも、現場経験の長いプロの経営者やバイヤーによるコラム記事、古物市場の落札データ、専任の記者による各リユース企業の最新の取り組みなどを日々お届けし、リユース事業者を応援しています。

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