古着屋SAJI、障がい者向けに古着を加工

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古着屋SAJI、障がい者向けに古着を加工

2023年02月16日

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2月に開店した古着店のSAJI(東京都多摩市)は障がい者向けの古着「シカケフク」を販売している。同店の商品や利用者の私物を店内で加工し、障がい者にとって使い勝手の良い商品にリメイク。加工は舞台衣装制作者が担当する。同店はこれまでの古着店にない循環を実現させたい考えだ。

舞台衣装制作者が担当

古着屋SAJI 前開きをマジックテープに加工(左)前開きをマジックテープに加工
(右)肩開きにファスナーをつけた

シカケフクは、手や足などを動かす際に苦労するといった障がいを持つお客でも着脱しやすい様に独自加工した服を指す。前開き・肩開きをマジックテープ、ファスナー、スナップボタン(凹凸ではめるボタン)、磁石等を使用して加工。金額は1着1500円〜で、服の種類や加工内容によって変動する。同店は大手リユース店と差別化するうえで昭和古着やリメイク古着や古道具などを扱っており、シカケフクもそんな試みの1つだ。「すでに障がいを持つ方向けの服はあるがどれも既製品。シカケフクはいわゆる健常者向けの服を加工し、独自に作り変えた1点もの」と大和直子代表は説明する。

大和代表は約20年の間古着店のmametra(マメトラ)を運営し、その後1年間就労支援施設で働いた経緯がある。そこで障がい者が気軽に行ける店の少なさを痛感した。関わりのある衣装制作者も偶然、脳性麻痺の子どもに向けて洋服を着脱しやすい様に作り替えた経験があり、大和代表と同制作者で協業することに。「自身の経験や技術を社会の役に立てたいという共通認識が生まれた」(同氏)。

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第553号(2023/02/10発行)20面

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