「日本最古の楽器店」と謳う三木楽器(大阪府大阪市)が、今年創業200年を迎える。同社は書籍商からスタートし、1888年に楽器販売を始めた。現在は大阪エリアを中心に、楽器専門店を11店展開。リユース品の取り扱いにも注力する。国内に楽器が普及していない時代に始めたからこそ、音楽文化の形成を重視し続け、様々な取組みも並行して進めてきた。その歴史を辿る。
社会環境変化背景にリユース参入
ギター専門店の梅田店。4フロアの大型店内で、中古品も扱う
三木楽器は地元密着を掲げ、府内にサオモノ楽器や管楽器、ピアノや打楽器など豊富な種類ごとの専門店を構える。各店舗で中古品の売り上げは、20〜50%を占め、リユース品の取扱いにも注力する。バイオリン・チェロ・一部電子楽器など、元々専門店がないジャンル以外の全ての中古楽器と中古防音室を買取販売している。ピアノ以外の店舗では、店頭買取も実施。また2023年には東京進出を果たし、ヴィンテージ品や中古品をメインに希少性の高いギターをセレクトした新屋号店「Smalls guitar shop(スモールズギターショップ)」をオープンした。
書籍商から楽器販売へ
ヤマハ創業者の相談を機に
現在は楽器販売が主力だが、「書籍商」として江戸時代後半の1825年に創業した。当時は顧客を訪問し、本の販売や貸本業をしていたという。楽器販売に着手したのは、創業から60年以上経った明治21年の1888年。同社の楽器販売実績は、既に137年になる。
第610号(2025/06/25発行)21面