無人古着店が再び増加か 人材難でも24時間営業できる
2025年09月28日
無人古着店が再び増えそうだ。AVENDの展開する「セルフルギ」は年内に34店舗となる見通し。陣取り合戦を制す考えで、出店スピードを上げている。店舗数ナンバーワンの「古着de行こか。」は、いったん出店を控えているものの、体制が整えば出店を再開する方針だ。輸入古着大手のJAMトレーディングも、7月に「ストッピー」7店舗目を出店した。国内古着チェーン「キングファミリー」を展開するクロカワも、9月に無人古着1号店をオープンした。
JAMトレーディングの「STOPY」
背景にあるのは、人材採用の難しさと人件費の高騰だ。有人店舗を出店するには、店舗を任せる店長の育成が必須。それ以外のスタッフも採用し、教育していく必要がある。最低賃金は年々引き上げられており、例えば都内だと10月には時給1226円が最低ラインとなる。採用コストも上がっており、店舗運営には人材にまつわる費用が膨大にかかる。
育成に時間のかかる
店長が必要ない
一方、無人古着店なら店長が不要だ。古着de行こか。を42店舗展開するRESTAは、スピーディーな事業拡大を見据えて、採用と教育コストのかからない無人店を選んで立ち上げたという。店舗にラックを置いて古着を陳列。ICタグとセルフレジで在庫を管理。何が何点売れたかを本部が把握し、データをもとに必要な商品を各店に送る。店舗に必要なのは、商品を並べて清掃をする人だけだ。育成に時間のかかる店長は不要で、店頭には知識のある接客スタッフがいなくていい。
同社は現在、倉庫の業務効率化に取りくんでいるが、その後は、また出店をすすめる方針だ。
第616号(2025/09/25発行)28面