1949年創業の質店「まるみや」(大阪府大阪市)では、質入れ・買取りに持ち込まれた商品を、基本的に全て受け入れる"断らない方針"を掲げ、地域に根ざした営業を続ける。かつては一部商材を対象外としていたが、数年前から方針を転換。一見、価値がつかなそうな商品が持ち込まれた場合も、可能な限り質入れを行う。
商材広げ新規客4倍増
オルゴールの質入れも
広い商品知識が強み
76年の歴史を持つ「質まるみや」店舗は天神橋筋六丁目駅からすぐ
「質店は、一度利用すると入店の心理的ハードルが下がる。また質預かりの特性上、品物の引き取りなどで再来店するため、リピート顧客を獲得しやすい。商材によっては一時的に損をすることもあるが、結果的に店の宣伝となり、リピーター増加につながると考えている」と、専務取締役の西村壮史氏は話す。
こうした柔軟な対応を支えるのが、スタッフの商材知識の幅広さだ。月に2〜3回、交代で古物市場を見学し、現場で最新の相場感や商品知識を磨く。社内で鑑定ノウハウを共有する仕組みを整えており、多様な商材に対応できる体制を築いている。
第620号(2025/11/25発行)17面


