airClosetの成功の鍵は「働く多忙な女性」

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airClosetの成功の鍵は「働く多忙な女性」

2019年01月25日

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airCloset

P1.png▲月額レンタルで、女性の服に関する悩みを解決する

利用者1万人超の洋服サブスク「エアークローゼット」
成功の鍵は「働く多忙な女性」

服は新品で買うか、中古で買うか。その二択の中に、新たに「借りて使う」という選択肢を浸透させつつあるのが、女性向けファッションサブスクリプションサービス「エアークローゼット」。2015年にサービスを開始し、会員登録者数は20万人以上。創業者のエアクローゼット(東京都渋谷区)天沼聰社長のインタビューから、人気の秘密を解き明かす。

登録し借りて返すだけ

「適度に自信を持って服を着ることができるようになった」保険代理店で働く50代の女性は、エアークローゼットを利用後の変化をそう話す。彼女が同サービスを利用するになったのは、昨年の11月から。自分で服を選ばなくても良い点や、たくさんの洋服を持たなくても様々なブランドの洋服が着られることにメリットを感じているという。

同サービスは肩透かしを食らうほど非常にシンプルな設計になっている。料金を支払ったユーザーがまず借りる服の用途やサイズ、自分の好みを登録すると、数日後3着の服が自宅に届く。服の返却期限はなく、飽きたら別の服と交換可能。返却する場合はクリーニングなどせず、そのまま着払いで返送するだけ。料金は月額9800円のレギュラープランと、服の交換回数に制限のある6800円のライトプランの二通り。

天沼社長は、同じく女性向けファッションレンタルサービス「メチャカリ」と比較して、メチャカリの月間利用者1万2000人と「当社サービスも同程度」と話す。メーンターゲットは「働く女性」で、特に30〜40代の利用者が多い。人気の謎を紐解く答えの1つは、彼女たちの忙しさにある。ユーザーの約9割は仕事をしており、さらに4割が子育て中。ファッション好きでも新しいブランドを見つける時間がなかったり、年齢や職場での立場にあった服装を選ぶことに不安を感じるユーザーたちだ。同サービスでは、職場に着ていくオフィスカジュアルも、オフの日に着る服装も、ユーザーの要望に応じてセレクトしている。

取り扱う服はおよそ100ブランド10万点。ここから自分にあった服を選ぶことは簡単ではない。そこで活躍するのが、在籍する約200人スタイリストたち。服のレンタル前後にユーザーからの要望を聞いたり、使用感をヒアリングして、次回はより的確な服を提供する。使えば使うほど自分にぴったりの服、思いがけず似合う未知のブランドが自動的に届くという仕組みだ。

ワクワクしていないのは誰?

2018年11月下旬。南青山の同社オフィスで取材に応じた天沼社長は、人気ファッションサービス企業の創業者にしては、地味な人物だった。黒地に淡くストライプが入ったスーツに白いワイシャツ。取材後には、「僕自身はファッションに疎くて」という言葉も洩れた。天沼社長はコンサルティングファームと楽天を経験し、経営とITに強みを持つ人物。なぜ女性向けファッションサブスクを立ち上げたのか。

「ライフスタイルを支援する、ワクワクする体験を提供したかった。女性は結婚や子育てを迎えると、どうしても自分に投資する時間が減ってしまう。我慢してしまっている洋服との出会い体験を、もっとワクワクするものにできれば、と思いました」

サービス開始にあたって、まず貸し出す服を集めること、そしてそれを保管する倉庫を確保することがハードルとなった。特に倉庫については、同じ品番の商品でも1点ごとに別のIDを付与し、劣化状況やクリーニングの有無などの状態まで把握する「個品管理」というシステムを採用したため、ほとんどの物流倉庫は難色を示した。

「倉庫の確保に関しては、タイミングが良かった。色んな物量倉庫に提案し、唯一受け入れてくれたのが寺田倉庫さんでした。ちょうどクラウドストレージ事業『minikura』を始めた時期。当社と同様、ユーザーから預かったものを個品管理するという仕組みだったため、一緒にやりましょう、ということになった」(天沼社長)

P2.JPG▲天沼聰社長

貸し出す商品に関しては当初から変わらず、アパレルブランド側と直接契約を結んで仕入れる。これもスタート前段階では、ブランド側に受け入れられないことが予想された。そこで実行したのが、ユーザー事前登録。サービス開始前にプレスリリースを打ち、興味を持ったユーザーに対してサービスに無料登録することを呼びかけた。「すると1カ月で1万人、事前登録終了時には2万5000人が集まった。ユーザーの関心の高さ、そして取り扱うブランド名を公開しないことを条件に、直接契約を進めました」

現在は利用者数を増やし、パーソナルスタイリングを活かしたEC「pickss」などの新たなたサービスも展開している。「世の中の商品提供も、これまでマスからよりパーソナライズされたものになると考えています。このサービスを気に入っていただけたのなら、私たちを"クローゼット"に加えていただければ」

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第455号(2019/1/10発行)28面

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