アソビモ、電子書籍を二次流通 出版社にも収益還元

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アソビモ、電子書籍を二次流通 出版社にも収益還元

2019年09月28日

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オンラインゲーム開発を手掛けるアソビモ(東京都豊島区)が9月、電子書籍の二次流通サービスを始めた。デジタルコンテンツを個人間取引できる専用サイトで、約1万冊の電子書籍を扱う。約50の出版社が参加。自社出版物がサイトで再販されると、出版社側に一部収益が還元される。

3A1.png▲新品購入した電子書籍を再販できる

同社は「ディセル」の名称で、ウェブ上にマーケットプレイスを展開。そこに出版社から提供された電子書籍を、まずは新品として販売している。その購入者は、手放す際にディセルで再び出品できる。再販単価は、出版社指定の価格以上であれば自由に決定できる。買い手がつき取引が成立すると、収益を出品者と出版社で分け合う。「従来の古本ビジネスでは出版元に還元される仕組みはなかった」(近藤克紀CEO)

3A2.JPG▲近藤克紀CEO

同社は半年程前に、自社開発のRPGで、プレイ中に得たゲームアイテムをディセルで出品できるサービスを開始。「プレイヤー間でヤフオク!などを用い、アイテム取引がなされている実態があった」(同CEO)ことから、ブロックチェーン技術を活用の下、ディセルで個人間取引を公式に認める動きを取り始めていた。同技術でコンテンツと購入者を紐づけることができ、複製や改ざんなど不正を防げる。それを今回の電子書籍の再販サービスに当てはめた形だ。ディセルでは、ゲームで得たポイントを電子書籍購入時の代金にも相当できる。

同社はディセルで電子書籍が新品販売されると収益を得、以降再販時には手数料を取らない。1年で取扱数30万冊、流通総額5億円を目指す。

第472号(2019/09/25発行)3面

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